こんにちは。
以前のブログで「6月15日ショック」について触れました。
この日に0.4%減額された年金が初めて振り込まれ、その減額の重みを実感するということでした。
預金通帳に刻まれた年金額を見てどんな印象を持たれたでしょうか。
物価上昇が続くなか、少なくとも「納得」した人はいなかったと思います。
それでは「納得」が得られるための努力がどれほどなされたのでしょうか。
この件については国会でも質疑されていて、ホームページで内容を確認しましたが、制度に関する説明があっただけでした。
難しい用語が羅列されただけの説明では多くの人は理解ができないだろうと感じました。
では実際に年金の支給事務を行う実施機関の説明はどうでしょうか。
実際に年金を受給している3人にその状況を聞いてみました。すると面白いことが見えてきました。
Aさんは日本年金機構ですが、送られてきたハガキの中に「昨年度から0.4%減額改定」と6ポイントくらいの細かい字で書かれてあります。
減額の説明はこれだけで、賃金や物価の変動率、マクロ経済スライド、キャリーオーバーに関する記載はありません。
Bさんは地方職員共済組合ですが、送られてきた封書に入っていた「年金受給者だより」に減額改定の仕組みが記載されています。
さらに物価と賃金の変動率、マクロ経済スライド、キャリーオーバー(繰越しと表記)について、図や数字も挙げて説明があります。
Cさんは公共学校共済組合ですが、Bさんと同様、「年金フォーラム」のチラシに減額改定の仕組みからキャリーオーバーまでフルに記載されています。
さらに改定ルールの説明やマクロ経済スライドの意義、スライド調整率(▲0.3%)の内訳も「コラム」欄で分かりやすく言及されています。
この3つのなかでは、Cさんの公共学校共済の説明が一番詳しく納得感が高いように思います。
説明内容も正確で読む側に立った配慮が感じられます。
年金を受け取るのが先生方だけに教育的観点から「分かりやすさ」を大切にしているのでしょうか。
年金制度を維持するためには、年金を受け取る側にも、保険料を支払う側にも「納得感」は欠かせません。
少しの労力を惜しまなければ「納得感」は向上するはずです。
その労を厭わない態度が大切ですよね。
今回もここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。次回もまたアクセスしてください。
街かどスケッチ 第9景
狭いところに押し込められても大切にされているお地蔵さん。