こんにちは。
前回、年休が労働者の権利であることが普段は余り意識されていないことについて触れました。
最初から今のような
・発生要件:6か月間継続勤務
・最低付与日数:10日
・20日に到達する期間:勤続6年6か月
とされていたわけではありません。
今では昔話として語られる「24時間戦えますか」のTVコマーシャルが流れていたのが、1988(昭和63)年頃のことでした。
世はまさにバブル期で「ジャパニーズビジネスマン」は働くことが美徳であるとして、年休もろくに取らずに働き続けたのです。
ワークライフバランスという言葉もまだ知られていませんでした。
直後のバブル崩壊でそうした価値観が変わり始め、それに合わせるかのように、1993(平成5)年の法改正で「発生要件」がそれまでの1年間から6か月間に変更されました。
一方、「最低付与日数」は1987(昭和62)年にそれまでの6労働日から10労働日に引き上げられ、
さらに、1998(平成10)年に年休付与が20日に到達する期間がそれまでの勤続10年6か月から6年6か月に短縮されたのです。
その後もちょうど10年ごとに改善が図られ、2008(平成20)年には年5日の範囲内で「時間単位年休」が認められ、
その10年後の2018(平成30)年には年5日の「年休付与義務」が課されることになりました。
今の年休取得の要件に落ち着くまでに、実に30年以上の歳月を要したことが分かります。
ここまでの調べで、社労士学習で不思議に思っていた謎がまた一つ解けました。
年休付与が継続勤務期間に応じて増えるとき、
10→11→12→14→16→18→20日となる理由が、よく分かりませんでした。
これは「10年6か月で20日」であったのを「6年6か月で20日」にしたことにより、3年6か月以降を2日ずつ増やすことにしたためでした。
スッキリしました。
これだけの法改正を経て、年休取得がしやすい条件が整いながら、令和2年度の年休取得率は56.3%、ようやく5割を超えたところです。
一方で労働生産性が上がらず非効率な働き方だという指摘がずっとされています。
「効率的に働いて休む時は休む」という考えから、「休むことを意識して効率的に働く」という考えへの転換が求められているように思います。
今回もここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。次回もまたアクセスしてください。
街かどスケッチ 第4景
こちらは穏やかな表情をした、七福神の一つ「大黒天」
