こんにちは。
社労士学習をしていると、普段何気なくしている行為の一つひとつに実は意味があることに気が付きます。
「へぇ〜」と感心したのが、いわゆる「チップ」の取り扱い。労基法上の「賃金」に当たるかどうかです。
⚫︎チップが賃金になる場合・ならない場合
個人が受け取ってそのまま自分のものにする場合は「賃金でない」とされていて、一度事業主が回収して再配分したら「賃金になる」のでした。
もともと「奉仕料」として客に請求し、その日出勤した従業員に分配すればこれも「賃金」です。
「チップ」の文化が浸透しない(消えつつある)日本では、今や旅館で仲居さんに渡す「心付け」くらいしか経験することはありません。
⚫︎アメリカのチップ事情とは
しかし、欧米では「チップ文化」が根付き、習慣として受け入れられています。
欧米を旅行する時に戸惑うのが、このチップとして渡す額(レート)と渡すタイミングです。
場面ごとに適切な額をスマートにサッと手渡すことができたら格好いいなあと思いますが、何度やってもうまくいかずモタモタしてしまいます。
英会話の学習教材としている「現代ビジネス英語冬号」(杉田敏著・NHK出版)では、アメリカの最新チップ事情をテーマとしていて興味深いです。
よくガイドブックには、10%程度が標準と書かれていますが、アメリカでは相場が15%、20%とどんどん上がっているようです。
特にコロナが拡がってからは、現場で働いている人への感謝の気持ちを込めて、より多くのチップを渡す人が増えたといいます。
また、最初からチップ相当分を上乗せ請求する事例や、チップ専用アプリの登場なども紹介されています。
この背景には、チップをもらう職種(ウェイター、ヘアサロン、デリバリーなど)では、チップ収入が最初から「賃金」とされていることがあります。
従って「最低賃金」の算定にはチップ収入が最初から想定されていて、その分、賃金が政策的に低く抑えられているといいます。
州によって異なりますが、連邦の労基法では、1時間当たり2.13ドル(約245円)ということですので、チップなしにはやっていけません。
アメリカ国民はそのあたりをよく知っているからこそ、サービス労働への「対価」として、チップをはずむことになるのです。
それならチップのためにサービスに頑張ることになりそうですが、かと言って、日本のサービス水準が低く、アメリカが高いということはありません。
チップとサービスの質には相関関係がないこともまた興味深いことです。
文化の違いとは言え、チップに対する考え方にも大きな違いがあると思わざるを得ません。
ちなみに、Uberはチップ込み料金となっていますので、日本でも支払う必要はありません。
今回もここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。次回もまたアクセスしてください。
もう一つの旅の楽しみ vol.10
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