こんにちは。


マイナンバーカードを健康保険証として使える「マイナ保険証」の運用がようやく本格スタートしました。


今春に始まるはずで、今年度の社労士試験択一式「一般常識」にも出題されましたが、コロナ禍などのバタバタで今になってしまいました。


ところがこの本格運用も、今対応できる医療機関は1.8万施設(全体の約8%)で、しかも実際に使えるのは1万施設強と報道されています。


となると単純計算で恐縮ですが、実際に「マイナ保険証」を利用可能な国民の割合はこうなります。


⚫︎マイナカード保有率:40%

⚫︎利用可能医療機関比率:8%

⚫︎国民利用可能率:40%×8%=3.2%


何と国民の3%しか使える可能性がないという寂しい「船出」になりました。


どうしてなんでしょうか。

いろいろと障害になる要因を考えてみました。


まず、国民感情として、マイナカードは個人情報がいっぱい詰まった大切なものなので、免許証や保険証のように簡単に持ち歩いたりしないことです。


事実、私もそう思っていて、自宅の机の奥の方に大切にしまっています。


これでは、制度が始まったといっても、多くの国民は従来どおりの「保険証」を使い続けることになりそうです。


マイナカードは持ち歩くものという意識変容が必要です。


次に、医療機関に一番にお世話になりそうな高齢者とマイナカードの相性がよくありません。


私の母はいち早く「マイナ保険証」が使えるよう手続きを済ませましたが、いざ使うとなったら、これまでの「保険証」の方を使いそうです。


「病院=保険証」という固定観念は、そう簡単には取れません。多くの高齢者も同じだと思われます。


もう一つは、これが一番大切なのですが、「マイナ保険証」を使う患者側のメリットが今一つ見えてこないことです。


診察データやお薬のデータが閲覧できる程度では、なかなか説得力はありません。


医療機関どおしの電子カルテの共有が進んで、自分のカルテのデータが見られるくらいのインパクトがあれば、納得感は出てくると思います。


ウダウダ言っても仕方ありませんが、今は希望する患者に、どこでも「マイナ保険証」が使える状態にすることが急務です。


その過程で「こんないいことがあったよ」という声が上がり始めると、普及するスピードも増していくと思います。


「マイナ保険証」はデジタル社会への第一歩ですので、よい形で定着することを期待しています。



今回もここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。次回もまたアクセスしてください。



3行コラム・ドイツ百景(第5景)

🇩🇪  プチホテル

「郊外に行くと中心街に必ず古くから営業している小さなホテルに出会います。窓には綺麗な花が飾られ、美味しい朝食が旅の疲れを癒やしてくれます。」