こんにちは。

以前のブログで触れた、火野正平さんの「こころ旅」(NHKBSP)が、6月8日のオンエアで「千日目」を迎えました。


おめでとうございます。


千日目の「こころの風景」は、新潟県上越市の廃校跡から見た妙高の美しい山並みでした。


この日を迎えて、正平さんがどんな言葉を発するのか、気になっていました。


番組のなか、長い下り坂で「人生下り坂サイコー、下り切ってやれ」と、自転車旅を続けていく決意とも取れる言葉を残しました。


これからも元気で疾走する姿が見られると、嬉しく思っています。


正平さんは、これまでの旅で、苦しい登り坂の後に来る下り坂をいつも楽しみにしていました。


もしかしたら、それはご自身の人生にもつながる思いではなかったのでしょうか。


長く「登り坂」を頑張って走ってきたが、これからの人生は「下り坂」を走るように楽しんでいきたい、そんな心の叫びのように聞こえます。


5年前に読んだ、劇作家平田オリザさんの「下り坂をそろそろと下る」(講談社現代新書)を思い出しました。


日本は、戦後の高度経済成長という「登り坂」を駆け上がってきましたが、その後は成熟社会となり、低成長の時代が長く続いています。


平田さんは「こうした今の時代は「下り坂」であって、少子高齢化が続くなか、これからもこの坂を下っていくしかない」と指摘しています。


そのうえで「これからは、競争と排除の論理から抜け出し、寛容と包摂の社会へ向けて、そろそろと坂を下りていく」ことを提唱しています。


同じ頃読んだ、哲学者鷲田清一さんの「しんがりの思想」(角川新書)では「(低成長の時代に)必要なのはリーダーシップよりも最後尾で皆の安否を確認する「しんがり」の存在だ」としています。


これも「誰一人取り残さない」とする、心やさしい社会に通じるところがあります。


正平さんが仲間たちと一緒に、自転車の隊列をなし、助け合いながら下り坂を行く様子に、これからの日本の姿がダブって見えてしまいました。



今回もここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。次回もまたアクセスしてください。


開業カウントダウン〈2022.4.1まで235日〉

「久しぶりに「社労士V」のweb講義を聞くと受験学習をしていた頃を思い出しました。」


記憶に残るあの日・あの場所

2019年5月 カウナス(リトアニア)🇱🇹

「杉原千畝記念館には、旧領事館の建物や彼が実際に執務した机なども残っています。コロナ禍で運営が危ぶまれていましたが、内外から多くの支援が寄せられて存続が決まりました。」