こんにちは。

年末のこの時期になると、一年を振り返ったイベントが目白押しです。「流行語大賞」「今年の漢字」「十大ニュース」などなど。


どれを見ても、コロナ禍関連が多く、明るい話題を見つけるのはとても難しい状況です。


新型コロナウィルスが初めて確認されたのは、今年に入ってからと思い込んでいましたが、WHOの正式見解では昨年のことになっているらしく、COVID-19の19は

2019年の19のことなんですね。


今になって気付くのもおかしいですが、昨年の今頃にはもう感染が始まっていたことを思うと、この1年間何も有効な手立てができなかったことが悔やまれます。


来年の今頃には、選ぶのに困るほど、明るい話題がたくさんあることを祈っています。


さて、社労士「試験にでる用語」の第9回です。


No.9 「申請、請求、申出、届出」


・社労士の各分野で労働者や使用者、事業主、被保険者などが、労働基準監督署や公共職業安定所、市区町村などにいろいろな手続きをします。


・その時の手続きについては、それが法令上どのような性格に位置づけられているか、また、手続きの結果としてどのような効果が生じるかによって、その名称が決められています。


・主なものでは、申請、請求、申出、届出などがありますが、手続きをするほうからすれば、書類をお役所(行政庁)に提出するだけで、そう変わらないように見えますが、実は割と明確に区別されていることがわかります。


・手元の基本書を見ても、あまり明確な記載はありませんが、おおむね次のように整理することができると思います。


「申請」は、手続きをする者が、法令等に基づいて、行政庁に許可、認可、免許などの処分を求める行為で、行政庁が応じるかどうかの応答をすべきものです。


・社労士科目では、健康保険組合の設立、高齢任意加入被保険者の資格取得、各種助成金の交付など、しばしば出てきます。


「請求」は、権利を有する者が、行政庁に対して一定の行為をする(しない)ことを求める行為です。これには、年金の繰上げや労働保険料の還付などがあります。


「申出」は、権利を有する者が、行政庁に対して、ある特定の意思を表示する行為です。これには、年金の繰下げ、失業の認定、患者申出医療などがあります。


「届出」は、手続きをする者が、法令等に基づいて、行政庁に書類等を提出する行為です。これには、労使協定や就業規則などがあります。


・こうして見ると、外形的にはそれぞれ同じような行為のようでも、手続きをする者と行政庁との関係を考えれば、微妙な違いがあることがわかります。


・行政庁に与えられた裁量の度合いで見れば、裁量がが大きいものから、申請>請求>申出>届出の順番になるのだと思います。


・日頃の学習のなかで、少しその書きぶりを注意して見てみると、理解が進むかもしれません。


ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました。


次回もこのテーマについて綴りたいと思います。

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〈今日の旅の1枚・公共交通機関〉  



2013年7月 プラハ

「市街地を隈なく走る市民の足、路面電車」