いいだしっぺの自分から

「外食、低価格店に転換」(9面)

客単価の下落に対応するために、低価格店(ブランド)の展開、または既存店からの転換に外食企業が乗り出す。当記事内でも挙げられている大手外食「すかいらーく」では半年程前からこの転換が顕著になっていたが、今年度12月までに更に50店舗の転換が為されるようだ。その対象となるのは「ジョナサン」「バーミヤン」「夢庵」等で、前回も対象となったブランドが今回で更に縮小されることになる。対照的に、新規ブランドや「ステーキガスト」、記事内には無いが「ミニガスト」といった、すかいらーく内で現在優良とされ、商品や一店舗あたりに掛かるコスト少ない事業が今後展開されることになるだろうと思われる。ガストは現在でもグループ内で唯一ということが出来る黒字計上ブランドであり、今後の展開・拡大が当然の如く求められ、今後の主力ブランドとなっていくことも予想できるだろう。
外食産業の困窮は私自身も特に直接感じるものである。というのも、自身のアルバイト先である某ファミリーレストランの現状を見ているからだ。前年の30%程まで落ち込んでいるピーク時の客数、エリア内時給の統一と調整給の廃止、週一度程まで増えた監査・AM視察など、今や、事業の最前線である店舗の調理器具洗剤の使用量にまでこだわる程の現状に至ってしまっている。閉店時に当日の売り上げを手で数えるのが私の仕事だが、年々の札束の厚みの減少からそれらの現状の厳しさを肌で感じるのを禁じ得ない。
明後日には今の店長が退職になる。次はまた他の某外食企業に転職になるそうだ。2年間近く仕事を共にした彼が度々口にした「入社したばかりの頃が夢みたいだよ」という言葉に現在の状況を照らし合わせると、景気の動向に直接的に左右されやすい外食産業の将来に一縷の希望も抱くことが出来ない不安がある。