最終面接の場所は皮肉にも銀座。
彼女との思い出の場所を見ながら会社に向かう。
彼女の誕生日を祝ったお店、
初めて待ち合わせをした場所など。
友達に話し続けた事と、
本来、忘れっぽいことから精神状態は安定していた。
「絶対に内定をもらってやる」
心の中で唱え続ける。
しかし、最終面接は本当に「3分」だった。
役員10人対1という今までにない構成で、
ある意味、圧迫面接。
準備したことはほとんど無駄になる。
「成績がいいね。」
「授業に休まず出ていたので」
「その割には筆記が悪かったようだけど。新聞読んでる?」
「読んでます。これからはもっと注意して読みます」
「お父さんの職業は?」
「銀行員です」
「銀行員なんだ。それなのに代理店?珍しいね」
「兄も銀行員なんですが、私は伝えることを考えるのが好きなので志望しました。」
自己PR や志望動機も聞かれない。
役員の1人が他の役員に質問があるかどうか尋ねるけど、
誰も質問をしてこようとしない。
腑に落ちないまま面接が終わる。
あっという間だった。
結果は1週間後にくるとのこと。
しかし、その日に会社から電話がある。
あいにく出ることができず、
着信履歴に残っていたので、
合格を確信しながら、電話をする。
「K大学の木村です。電話を頂いたようなのですが・・・」
「先ほど電話をしたのですがいらっしゃらなかったので。内定のご連絡でした。おめでとうございます。」
「ありがとうございます」
聞いた途端、力が抜けた。
そのあと、人事の人が説明をしてくれたけど上の空。
あとで思い出すのに苦労した。
電話を切ると、うれしさがこみ上げ、
沸々と力がみなぎってきた。
家の中でジャンプし、ガッツポーズ。
拳を床にたたきつけた。
調子に乗ってベッドに向かって前宙。
一度もしたことがないのに見事成功。
ともかく暴れたくて仕方がなかった。
自分の部屋を出てそのままの勢いで親に報告した。
3日後・・・・
会社を訪問して1時間、
人事部長と副社長の長い長いお話を聞きながら、
最初で最後の内定承諾書にサインをする。
僕の就職活動はこれで本当に終わり。
8月から就職活動を始め、終わったのは7月。
まるまる1年かかってしまった。
本当に苦労して、色々あった就職活動
。
「もう一度しろ」と言われたら絶対にできない。
僕の側には一番伝えたい人はもういない。
でも、彼女がいなければここまでやれなかった。
これから色々苦労することがあるけれど、
この就職活動の経験を無駄にせず頑張っていきたい。
そして、僕はこれから就職活動を始める人を
応援するためにブログを立ち上げた。
ブログのタイトルは・・・・・・・
「最終面接前に彼女にフラれても内定をもらえた理由」
*最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。今までお会いした学生の体験談をもとに作成しました。就職活動の流れがわかって頂けたでしょうか?現在の就職活動はもっと選考が早くなっております。2か月ほど前倒しぐらいのイメージで頂ければと思います。これからは「就職活動五行歌 」「恋愛五行歌 」をお楽しみください。