初めてのグループディスカッション



さんざんなものだった。



インターシップの選考会でも経験していたけど、


選考に関わるグループディスカッションは初めて。




有楽町にある国際フォーラムの会議室で


その企業の説明会は行われ、すぐに始まった。


面接官はボードを持ちながら何かをチェックしている。



会社によって違うようだけど、


「的確に話せているか」「協調性はあるのか」など


色々な項目が設けられていて


5段階で評価したり、コメントを書いている。



意外に神経質な方なので、


とてもグループディスカッション中に気になってしまう。


今回のメンバーは僕と同じく


グループディスカッションをそれほどしたことがなかった。


そのため、みんな緊張しているように見えた。



そして、グループディスカッションが始まるとすぐに


リーダー役をしたい人が3人も出てきた。


特に「自分がリーダーをする」など明言はしないけど、


仕切ろうとする姿勢が前面に出ていた。





とても険悪なムード。




6人のグループディスカッションに半分がリーダー、


こんなおかしなことはこれから経験する


グループディスカッションでは一度もなかった。


就職活動をしてきた中で、




最低なグループディスカッション




と言ってもいいくらい。


他のメンバーのタイプを挙げあると、




「全くしゃべらない、話しても一言ぐらいの人」


「全員が話してからから、他の人の考えに1人づつ意見を言い、自分の意見を述べる人」


「自分が知識を持っているんだと大学の勉強について専門用語を連発する人」




全員タイプ・知識をひけらかすタイプはとても嫌いだった。


それは自分に限ったことではない。


全員タイプはいかにもって感じでわざとらしい。


自分で書いていたメモを見ながら話し始める。




「さんは~で、さんは~、さんは~で、~さんは~。まとめると、こんな感じがいいのではないでしょうか?」




知識や専門用語をひけらかすタイプは絶対に受からない。


相手の立場も考えず、自己中心的な人であることがわかる。


メンバーが理解できないことを話して、


良いグループディスカッションができるわけがない。


グループディスカッションのテーマは





「『専門タイプ』と『オールラウンドタイプ』はどちらがいいか?」





人それぞれ適性があるので一概には言えない。


それより、自分の適性を見極めることが大事だという答えを考えた。




「どちらがいいか」という選択肢に、「どちらでもない」




という選択肢があってもよいのではないだろうか。


そもそもグループディスカッションに100%の正解はない。




しかし、お堅いメンバーはYES、NOにこだわりかなり熱くなっていた。


リーダーが3人もいて、グループディスカッションに


慣れていない人が多かったので、話はどんどん違う方向へ。


そして、口げんかになるぐらいのレベルに達していた。


あまりにもひどかったので、きつい口調で大声でとめた。




「今は専門タイプとオールラウンドタイプの話だよね。話がずれすぎているんじゃない?もう一度、課題について考えようよ」



できるかぎり自分の感情を押し殺したつもりだけど、


発言したあとに後悔する。




しかし、話は元に戻る。




面接官の印象は最悪だったに違いない。


そんな僕はいつも時計係をしていた。


受験の時からおなじみのストップウォッチつきの


時計を持っていたので、正確に時間が測れるからだ。




この時計は戦友みたいなもので、


一番大事な時には必ず持っていく。


よく正確に「あと3分ちょうどしかないよ」と発言していた。



時間内でまとめられない


グループディスカッションの印象としてはよくない。


グループディスカッションの目的は

課題に対して答えをだすこと。




それができなければ、全員ダメ。


逆にそれさえできていれば、全員OK。


グループディスカッションは


全員受かる場合もあれば、全員落ちることもある。





メンバーは味方であって敵じゃない






グループディスカッションが終わると


集団面接形式で質問がされる。



「10年後どうなっているか」


「どのように弊社に貢献したいか」



「10年後どうなっているか」という質問は


1年後もわからないのに学生にとってはとても厳しい。


僕は自分なりの模範解答を用意していた。



「まず、営業を経て、それからマーケティング・広報などの部署に行きたいです。やはり、商品について知らないのにそれらの職業はできるわけがないと思いますので。」



このように言うとポイントは高い。


よく「マーケティング・広告をすぐにやりたい」


という人がいるが、ミーハーのように思われポイントは低い。


「すぐに」というニュアンスを伝わると危険なので言い方には要注意。




まず商品も知らないのにできるわけがない。





本当にちゃんとした答えを持っていればよいけど、


そんな人はほとんどいない。


そんな風に言えるのは働いている人だけ。




つまり、学生は言えない。





集団面接はあいかわらず苦手だった。


グループディスカッションでも揉めたメンバーなので、


ひとりが発言するたびに、対抗意識を燃やし、


「もっと良いことを言おう」という姿勢がひしひしと伝わってきた。




面接が終わると、自分はもう縁がないことを悟っていた。


メーカーおなじみのお土産を貰いながら、その場を立ち去る。


数日後、メールが着ていた。




合格通知のメールだった。





【教訓】


グループディスカッションは協調性が第一。知識をひけらかさず、専門用語は使わないこと。誰もがわかるように心がけること。



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