離婚届は、私一人で出しに行きました。

提出して、少し待たされた。
なんともいえない気持ちで呼び出されるのをまった。
悲しいとか、あと少しだとか…そういうのも無かった。
婚姻届を出しに来たのもこの役所で…あの日も雨だったなぁと思い出してた。
「6年間」と言うとすごく長かった気がするけれど、ずっと落ち着かず、幸せだなあと感じていたことはほとんどなかった気がする。

呼び出されて、窓口へ向かうと本籍はどうするかを聞かれた。
なんだ…まだだったのか…と思いながら少し話をしてまた椅子に座ってまった。
3~40分は待ったかな…全部終わるまで。
「手続き済みましたよ。」
なんか半笑いの私。
「あ、そうですか。」
「はい。もう今日から○○の姓を名乗っていただけますよ」

○○、は旧姓。
「あ、そうですか。どうもでした」
返事をして外へ出た。




もう私は独身なんだ。妻ではないんだ。夫はいないんだ。

結婚生活は終わったんだ。




ただそういう現実をかみ締めてた気がします。
嬉しいとか開放されたとか、そういう感情はもっとあとになってからだったかな…。

とりあえず彼にメールを送って、すぐ家に帰った。

ドアを開けるとき、扉の上にある表札を見て、(もうここ、私の家じゃないんだ。)
と思いました。

「もう届けは出した?」
「うん」
「ご苦労様」
と元結婚相手とメールを交わした。

帰ってきてから元結婚相手を見て…なんだかものすごく他人に見えました。
ずっと生活して一緒にいたけど、これからはもうお互いはお互いを何においても一番としなくなる。
何の責任も発生しない。
「他人になったんだ」という距離を感じた。

それからの私と元結婚相手はとても穏やかだった。
苦しい戦いを終えた敵が、もう敵ではなくなったような…

お互いのいやなところを責めることもないし、気にする必要も無い。
してあげなくちゃならないことも無い。
いいことも悪いことも、してあげることが何も無いのだ。
一緒に暮らすことももう無い。

死んだ人を見送るような気持ちに似ているかもしれないと今思った。
(大変だったね、ゆっくりしてね。)
最初からこんな気持ちがあれば…こんなことにはならなかったろうに。


彼と一緒に住むアパートへ引越ししてから間もなく住民票を異動させた。
まず彼がうつして、追って私も。
私は市も名前も変わるので色々説明したりすることが多かったけど、なんか思っていたよりだだーっと済ませることが出来て終わった後拍子抜けしました。

免許証もその日に書き換えてもらった。
名前、住所、本籍。
新しいものを裏書してもらった。
表と同じ所がほとんどなくてなんか笑えました。

「○○さ~ん」と、懐かしい名前をいたるところで何度も呼ばれて変な感じだった…
あちこちでそう呼ばれることで、私に名前が変わったことを教えてもらっているような気がしました。

でも時々、どこかで私の結婚時の名字が呼ばれると今でも反応してます(よくある名字なんです)。。。
新聞やニュースでその名字を目にして、(もうこの名前じゃないんだよな。もう二度とこの名前では呼ばれないんだよな)って考えたり。
…なんともいえない気持ちになります。

そして、色々な事情で会社を辞めたのですが…
仕事で使ってたシャチハタがあることに気づいて考えてしまった。
ピンクのケースで、特別に注文して自腹で作ってもらって持参したもの。
捨てるのはもったいない…でも、旧姓。
挨拶をしに行ったときに「もう使うことは無いので、誰か新しい人が入ってきたら使ってもらってください」と置いてきた。
置いてかれて迷惑だったかな(汗)

旧姓で呼ばれていた場所から次々と離れて…
もう私は旧姓で呼ばれることはほとんど無くなった。
彼のいろんな手続きをするために変わりにどこかに行ったり電話したりするので、彼の名前で自分を呼ばれたりすることが増えて…
自分の名前が何なのか時々わからなくなってます(汗)
恩人のアドバイスにより、下の名前の表記も変えることになったのでなおさらです凹

自分のいろんな登録とか旧姓に戻してるけど、もし半年たって籍だけ入れるとまた変えなきゃいけなくなるのだが…
いかんせん先行きは不透明。
でもまた幸せになる為という大いなる気持ちで、コトを進めていけるだろうと思ってます。


手続きしてもらった私の健康保険証の表には彼の名前があります。
いずれ彼の籍に入ることになるし、ということでそういう手続きにしました。
納入の請求書も、彼の名前で来ました。
「払っておけばいいよね」
と彼。
籍は入れていないけれど、もうすでに私は彼に守られている。