昨日、結婚相手の前で大泣きした。

申し訳なかったのと、本当にこの人を失うんだという怖さと、とうとう終わるんだという気持ちと…他にも、いろんな気持ちがぐちゃぐちゃになって泣いた。
そんな私を結婚相手はずっと抱きしめてくれていました。


「困ったらいつでも来い。ちゃんとご飯も食べて丈夫な体を作るんだ。
もう俺はご飯を作ってやることも看病することも出来ないんだからな」

何年も慣れ親しんだ体温とにおい。
私がこの手で切るというのに。

「失敗したと思わず、前向いて頑張っていくんだぞ。」

号泣した。
この人無しでやっていけるのかと不安になり全部無しにしてやり直そうかとも思った。

かわいそうなことをしてしまった。
結婚相手は、もう家へ帰ってきたら誰もいない。誰も帰ってこない。
しかも私は結婚相手の友達の元へ黙っていくのだ。
あんなにたくさんのことをしてくれたのに、私は消える。

無駄にしないようにこれからお互い頑張っていこうと励ましてくれる結婚相手。

離れたらもっとつらいだろう。
いろんなことはあったけれども、結婚相手はずっと私を守ってくれた。


もし、彼がいなくて、ここからやり直せるとしたら…?
あのアパートはどうなるのだろう…そして今までの彼のことは…?

…どちらにせよ、誰かを傷つける。
わがままな道を選んだのは私。


また前を向いて歩くから、今日だけはと思い真後ろを向いて私は泣いた。



わがままでいさせてくれた。子供のように。
父親のようだった。
「嫁に出す父親みたいな感じだな」
こんな間際になっても結婚相手は変わらずそんな存在でいてくれた。

「ごめんね」も「ありがとう」も、何回言ったらいいか。

何年もの間、確かに私を生かしてくれたひと。


死んだ人を思い出す時のように、悪かった出来事なんて思い出せない。
いいことばっかり思い出す。


お互いの弱いところも知ってる。

ずっとどこかで繋がっていようと言ってくれた。



その約束がいつまで、どれだけ守られるかはわからない。
それを承知の上ででも…約束したいと思うのだ。

いつかはだめになる約束でも…
信じて生きられる時間が、力をうみ、強さとなってくれる。

「別れたことは、後悔するなよ。頑張れ。
疲れたら帰っておいで、俺はしばらくここにいるから」



はっきりと行き先を言わない私に対し、何も聞いてこない結婚相手。
必ず私がまた連絡をしてくるだろうことを知ってのことだろうか。
それとも、私の『行き先』を知ってのことだろうか…
わからないけれども…

この先、
結婚相手が生きていてくれることもまた私の幸せでもあると思った。



何もしてあげられないけれど。




本当に世話になった。
ありがたかった。
いてくれてよかった。

感謝している。


強くなって、頑張って、彼を幸せにするよ。








「怖くて出しにいけません。○○(彼)はちゃんと隣にいてくれますか」

「もちろん」

「ずっと?」

「うん」

「(涙)」

「どうした?」

「不安で」

「仕方ないけど…頑張らないとね」

「ちゃんと支えてください」

「はい」

「○○(彼)がどーんと言ってくれないからだぞっっ」

「俺に任せなさい!」

「はい!」














それから…顔を洗うまで、着替えるまで、家を出るまで、
それぞれすごく時間がかかりました。







今日の午後2時過ぎごろ、離婚届を提出し受理されました。





旧姓に戻りました。