大雨のあがった午後、水蒸気に煙る街並みを見て彼は言った。
『あの日は、初めに砂煙が上がった。家屋が基礎から剥がされる時に砂煙が…』
志津川の町を津波が飲み込む数分前の映像。
そこには確かに大量の砂煙が巻き起こっていた。
火事か?と声を上げる人。
しかしその背後には既に黒い壁が迫っていた。
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5月2日
この日は小さな、嬉しい奇跡があった。
私が南三陸町滞在中はボランティア活動の予定だったデザート・ムーン 氏から、
『予定が変わり、街を案内出来る』旨の連絡が…!
20時過ぎ、仕事を無理やり終わらせた後、雨の中を走って最寄りの駅へ。
そのまま新幹線へ乗り仙台まで。
気になるのは翌朝8時のバス。
予約制ではない為、混雑を恐れ仙台駅より前の停留所、県庁市役所前の停留所を選択。
ホテルに到着したのは既に23時近かったが、歩いて下見に行くことに。
停留所を無事発見した頃には一時止んでいた雨も再び降り始めていた。
この日は軽い食事をした後、ホテルの上階に設置されている大浴場に入り就寝。
5月3日①
目覚めると雨。大浴場で汗を流した後出発。
しかし停留所には行列が…!乗れなかったらどうしようという恐怖に襲われたが、
人々の半数は別の路線バスを待っていたようで一安心。
目的地までは約2時間。
デザート・ムーン 氏の携帯にメールを送ったところ、返信が。
『10時に、hiderinn さんとバス停に行きます。』と…!
なんですと!!!
…私にはこのくらいの衝撃が。。。
このお二方は、私のブログにも度々登場していただいている
南三陸町在住のカリスマブロガーさん。
私はこの一年、南三陸町を訪れること、そして彼らにお会いすることを
第一目標として生きてきた。
そんなお二方がダブルでお迎えに…、しかも行きたかった街で(コレは当たり前)。
…時間はあっという間に過ぎ、バスは南三陸町エリアへ。
やっと、、、やっと来れたんだ…
という思いが胸に溢れ感無量…。
その頃、既に雨は本降りになっていた。
急激に損傷度合いを増す家々…。
何度も映像で見たサンポートが目の前を通り過ぎ、いよいよ停留所に到着。
大雨の中、緊張のあまり白目を剥いてお二人を探す私。
その時、一度だけ電話口で聞いたことのある彼の、私の名を呼ぶ声が聞こえた。
青い車の前で傘を差す男性、デザート・ムーン さん。
そして運転席に座るhiderinn さん。
これが、彼らとの出会いとなりました。
悶死とは…、こういう時に使う言葉と再認識しました。



