愛知県議会6月議会 振興環境委員会の環境部関係について、6月27日に委員会が開かれました。今議会では、環境部関係の議案提出されていなかったので、委員会内での一般質問が行われました。
私は、2月議会に引き続いて食品不正転売の問題について、質問をしました。


 

 食品廃棄物撤去と平行して、再発防止策を!


 私たち県議団は、ダイコーの処理施設の稲沢市の2か所と本社工場へ視察に行きました。現地に着くと、カラスが集まっていて住処のようになっていました。食品廃棄物もまだたくさんある状況でした。そして、異臭もして、鼻をふさぎたくなるくらいでした。
 これから、夏になれば、ますます悪臭が増すことが予想されます。撤去作業をいま、進めていて3、4か月かかると報道されています。   この作業について、県の職員のみなさんもがんばっている様子が報道されていました。大変な作業ではありますが、引き続き完全に撤去されるまで、力をつくしてほしいとおもいます。
撤去作業も大事ですが、そればかりになっていて、再発防止が後回しになっていてはいけないと思います。両方平行しておこなっていくべきです。



 許可を出した県の責任が問われる。県としての責任について答えず。


 私は、2月議会で、県が許可をだした産廃業者ダイコーが、廃棄されるはずの食品を不正に転売したという重大な事態にたいする基本認識を県の責任という点も含めて伺いました。県は、答弁で、「受託した廃棄物を不適切に取り扱ったことは、廃棄物処理への信頼を損なう大変重大な問題であると受け止めている。」とこたえました。ですが、県の責任ということは答弁にありませんでした。

 
質問・・・そこで、改めて伺います。今回の問題は許可を出した県の責任であるということをしっかりと答えていただきたいと思います。


県の答弁要旨・・法に基づき審査して、基準に適正すると判断して許可をだした。結果的に、今回の事件が起きてしまい、悪意を持って行われたらわからない。というような、答弁をして、あくまでも、ダイコーの責任で、県の責任については明確にしないという態度です。


 許可を出したのは愛知県


 何度も申し上げていますが、許可を出したのは愛知県です。愛知県が問題を犯すような業者に許可を与え、こうした重大問題が起きたことは、県が県民からの信頼を覆す重大な問題という認識をしっかりもっていただきたいと思います。


 排出者、出した側の責任は??


 次に、排出事業者の責任について伺います。ダイコーのことは報道にあるとおりで、話題にあがっていますが、出した側壱番屋の責任という問題点が消えてしまっているのではないでしょうか?
 壱番屋は、ビーフカツに合成樹脂の異物が混入していたおそれがあるとうことで、ダイコーに処分を委託しています。もし、消費者の口に入っていたら健康被害へのおそれが大きかったとおもわれます。なおさら、壱番屋には委託した食品廃棄物であるビーフカツが確実に、安全に最終処分されるまでダイコーの処分を確認する責任があったはずです。にもかかわらず、大部分が不正に転売されてしまった。

 これは食品関連事業者として責任を放棄したといわれても仕方がないと思います。この点について、まず県の認識を伺います。


 県の答弁要旨・・一番屋はみぬけなかったが、排出事業者としての責任を果たしていたと認識している。

環境省は「排出事業者としての責任はある」と国会質疑の中で認めているのに対して、県の認識はまったく違っています。国が認めているのだから、県も排出事業者責任があることを認識すべきです。


 壱番屋は、2014年以降、60万枚近いカツをダイコーに処理依頼しています。多量に発生させる事業者の責任は極めて重大だとかんがえます。


質問・・・県として、排出事業者の責任はどうしていくのでしょうか?


県の答弁要旨・・・確実に指導していきます。

 排出者もとの責任もはっきりさせて、これを教訓に今後同じことが起こらないように排出者責任についても県として考えてもらいたいと思います。


 今後の再発防止も含めてどうしていくのか??


 今回の問題は、県行政としてのチェック体制が杜撰だったという点もあります。
2月議会でもお話したように、愛知県は過去5年間、ダイコーに対して近隣住民から悪臭の苦情があったということで、立ち入り調査を行っています
 2011年~2015年の間に計13回もの立ち入り検査をおこなっているにもかかわらず、見逃されています。
2014年に悪臭の苦情を受け稲沢市の倉庫の立ち入り検査を実施した際、ダイコー側から、「廃棄物ではなく、肥料や飼料」と説明をされて、悪臭の改善を口頭で促すにとどめました。県の担当者からは「ダイコー側の説明を真に受けずに、綿密に確認すればよかった」との声も出ていると朝日新聞で報道されていました。
 あまりに検査の仕方がぬるいのではないでしょうか。県民の目線にたつなら、優良企業だから大丈夫ということではいけないのではないでしょうか。


 質問・・・廃棄物のなかでも食品は県民の健康や命に直接関わる問題であり、県民の暮らしと環境、食の安全を守るという県民本位の立場から、県行政のチェック体制がどうであったか検証をしっかりとして、今後は、厳しい検査をするべきではないでしょうか?


県の答弁要旨・・・しっかりと見直しをおこなっていく。


 2月議会後、課題や対応についての検討はどこまで進んだ??


 再発防止のために、なぜ問題が起こったのか、なぜ未然に防ぐことができなかったのかも含め、問題の全容解明と原因の究明が必要です。私が2月議会でこの点について質問をしたときに、県は「様々な問題があることは認識している。現在、廃棄物処理法に基づく違反内容などについて事実確認を進めている段階である。
 今後、すべての違反事実等が確認できた段階で、課題やその対応について、しっかりと検討していきたい。」ということを答弁の中でいわれました。


 質問・・・あれから時間が経過をしましたが、その後、課題や対応についての検討はどこまでできているのでしょうか、どんなことが検討されているのでしょうか??


 県の答弁要旨・・・違反事実を確認して、許可の取り消しをおこないました。違反内容は、虚偽入力や届け出を行わず許可受けてない施設があったこと。

事実確認をして、監視強化に努めていきます。


 今後の方向性は?


 今回の問題は、ダイコーのように中間処理業者であると同時に再生利用事業者を行っている場合、都道府県や国の機関の違いによって的確に指導や監督がなされていないことから、今回のような食品廃棄物の不正転売につながっていると考えます。

 私は、2月議会のときに「今後、こうした業者に関しては特別なチェックが必要であると考えますがいかがでしょうか。」ときいたとき県は、「今後方向性が決まってくると考えている。」ということを答弁の中で言われました。


質問・・・現在までにどんな方向性が決まっていますか?特別なチェックが必要だと考えていますか?


県の答弁要旨・・・それぞれの機関と連携して、監視指導を行い、情報交換をやっていきます。


 愛知県は責任の重さを考えて、反省を!再発防止の取り組みは?


 2月議会で申し上げたとおり、今回の問題を受け、原因解明と再発防止対策について、県も、国も制度的な見直しも含めた抜本的な対策を講じることが重要であります。愛知県だけでなく、他の県でも起こる可能性のある問題です。

愛知県として、県民の命、食の安全の責任の重さを考えながら反省して議論するべきです。


 質問・・・愛知県として、今後同じことが繰り返されないためにどうがんばっていくのか、再発防止のとりくみはどうしていくでしょうか。


 県の答弁要旨・・・立ち入り検査の見直しをしていく。今回のように悪意をもって不正転売をされてしまうと通常の指導では難しい。二度と起こらないように法令の順守、指導を徹底していきます。

 

 県民の食の安全が脅かされる事態が起こったことの重大さと、ずさんなチェック体制であったということをしっかりと認識して改善していくことが重要です。二度と同じことがおきないためにも、制度の見直しや人員体制なども含めて、抜本的な対策を講じることが必要です。

 愛知県として、県民の命、食の安全の責任の重大さを考えながら、県民本位の立場にたち、再発防止に真剣に取り組むことを強く要望して、質問をおわりました。


今後の県の姿勢がこれからも注目され、問われていきます。