愛知県議会 ２月議会は昨日常任委員会が開かれました。私の所属する振興環境委員会２日目は、振興関係の議案について審議と一般質問を行いました。
振興関係には、振興費関係予算の議案と、他２件の議案が付託されました。そのうちの予算関係と、愛知ふれあい広場の条例の廃止という議案に反対をしました。
議案質疑では、大規模展示場の整備について反対の立場から質問をしました。
質問内容を掲載します。↓↓↓
大村知事は「首都圏に並ぶ交流拠点を目指す」と２月１６日の記者会見で、大規模展示場の意義を強調していました。大規模展示場整備予算に３億６千４６５万９０００円を計上しています。規模は昨年の構想段階の10万平方メートルから、６万平方メートルへと縮小して、建築場所は中部国際空港の空港島内になりました。同じく名古屋市は、河村市長が、空見ふ頭で検討中と２月３日に表明しました。県と同じ１９年開業を目指し、５万平方メートルで整備費を２５０億円とする。と、２月１０日の朝日新聞デジタルで報道されています。大村知事は、河村市長からの具体案が出ずに、しびれを切らして調整もしないままに県は県で進められています。名古屋市も大規模展示場の計画を市独自で進めていけば、二重行政となります。
東京では、展示面積８万平方メートルの東京ビックサイトの誕生で、それより小さい規模の幕張メッセや、パシフィコ横浜が厳しい運営に追い込まれています。2013年の幕張メッセの稼働率は４０％に落ち込んでいます。
名古屋市との調整はどうしていくのでしょうか。前回の答弁で「必要に応じて情報交換をする」と言っていました。名古屋市ともっと情報交換と話し合いをしていくべきではないでしょうか？大規模の展示場が愛知県に二つも必要でしょうか？答弁を求めます。
次に、大規模展示場の収支面について伺います。２月１７日付の日本経済新聞で「愛知県の大規模展示場計画、高い期待 収支不安も」というタイトルで報道されています。収支不安、つまり赤字が想定される懸念があるということになります。
愛知県の試算では、新展示場は４万平方メートル規模の展示会を毎月実施しないと収支が賄えないとしていますが、そのようなことが果たして可能でしょうか？例えばポートメッセなごやで2015年度開催された展示会は年１４回です。そのうち４万平方メートル規模の展示は３回です。２万平方メートル規模の展示が１番多く８回となっています。大規模展示場の調査結果の資料の展示会のニーズの中でも展示会の開催規模は３万平方メートル未満のものが一般的で全体の７割で、大規模なもの２割となっています。このような調査結果や実施状況からみて、４万平方メートル規模の展示会を毎月実施するのは難しいのではないでしょうか？答弁を求めます。
千葉県の幕張メッセの場合では、最初は、使用料収入で賄うということになっていたそうです。しかし、使用料収入だけでは賄えずに、千葉県と千葉市が話し合いお互いで負担しようと協定を結んで、1989年の開業から2014年度までに累計377億円を運営に投じて、県と市の大きな負担となっています。幕張メッセは毎年赤字を出し、その穴埋めに県費を投入し続けている施設です。
幕張メッセについて、当初千葉県知事は、９９年に黒字になり、施設の収入が増えるから税金の世話にはならない。と胸をはっていたそうです。今では、メッセのような施設に赤字も黒字もないといって、負担をおう結果となっています。
使用料収入だけで賄えない場合、千葉県幕張メッセのように愛知県も財政支援を行うことになり、県への膨大な負担となるのではないでしょうか？知事は、350億円の建設費といっていますが、200億円以上といわれている土地代は入っていません。結局、千葉県の幕張メッセと同じような道を歩むことになる懸念がありますが、県はどう考えますか？答弁を求めます。
幕張メッセのように建設段階から、建設後も膨大な県民の税金が投入されることが予想されます。そして、負担が膨れ上がることが想定されます。県にとって大きな負担です。また、オリンピックの期間愛知県にイベントを誘致できるとしていますが、オリンピックが終われば、東京の会場は使用できます。そうなれば、再び東京の会場でのイベント開催となります。ますます使用料で賄うなんていうことはできなくなると考えます。大きなイベントは年に数回しかありません。オリンピック後も含めていったいどれくらい需要があるのでしょうか。答弁を求めます。
大村知事は、３月１日の代表質問の中で、大規模展示場の質問への答弁で、「展示場の計画発表後、イベント主催者から１０件以上の引き合いがあった。努力次第で目標に近づけるのではないか。」と言っていましたが、いずれも、東京五輪、パラリンピックの開催で首都圏の会場が使えないための、あくまで一時的な理由にすぎません。
さらに、東京都は最近代替え施設を用意するという方針を打ち出しました。2019年4月から20年11月までの20か月の期間、東京ビックサイトの代替施設としてりんかい線東京テレポート駅東側の都有地に仮設施設を用意して補う方針だということが、２月２３日の都の定例会で明らかになったそうです。規模は、２万４０００平方メートルとなる予定となっています。展示会の主催者や、コミックマーケットなどの参加者から強い要望があったそうです。
規模は愛知県の予定している展示場より小さいものの、東京に代わりの施設ができるとなれば、黒字経営に知事は自信があるようですが、経営は厳しくなるのではないでしょうか。一時的な効果ということも合わせて、見通しが甘く、大村知事はとらぬ狸の皮算用になりかねません。本当に大丈夫なのでしょうか。答弁を求めます。
県民の税金を使って大企業のための展示場を作ってあげて、その赤字の穴埋めでまた税金を投入する。これが巨大開発の歩む道ではないでしょうか。
大規模展示場は、無駄な箱もの、巨大開発で県の見通しは甘すぎるのではないでしょうか。企業に言われるがまま、県民の税金を無駄遣いするのではなく、県民の立場にたって本当に県民にとって必要なものかどうかをよく考えるべきです。浪費のつけがまわってきて、県が１０年２０年と負担を負う可能性のある事業は見直すべきです。「財政難」をいうなら、巨大事業を思い切って凍結・見直しし、税金の使い道を切り替えるべきです。大企業言いなり、大型開発優先の県政ではなく、県民の福祉、教育、若者支援にもっとお金を使うべきではありませんか。県民の税金の無駄遣いである大規模展示場整備事業費に反対を表明して私からの質問を終わります。
（↑↑↑3月17日付の中日新聞に、振興環境委員会での大規模展示場の話題が掲載されました。）
名古屋市との情報共有や、二重行政になると指摘をした質問には、「名古屋市とのすり合わせはできない。市の構想は課題が多い」と答弁し、県は県独自ですすめていくということが改めて明らかになりました。
収支面についての質問で、４万平方規模の展示を毎月実施するのは難しいのではないかという質問には「最大規模の展示は３万４千平方メートル。４万平方規模の展示を毎月開催するのは、簡単ではない。工夫が必要。」と答弁をして、毎月大規模な展示を開催することは、厳しいということがわかりました。収支に不安が大きいことも確認できました。
千葉県の幕張メッセのように、愛知県も財政支援をおこなうことになり、県への膨大な負担になるのではないか？千葉県幕張メッセと同じような道を歩むことになるのではないか。との質問には、「創意工夫を凝らし・・・」といろいろ言って答弁をしましたが、財政支援を行うことになるのではないか、という質問に具体的な答弁はなく、否定もしませんでした。千葉県幕張メッセと同じような道を歩むことになる懸念は大いにあるものです。
大規模展示場の需要について質問しましたが、「展示場の計画発表後、１０件以上の引き合いがあった。展示場を利用してもらい。魅力を伝えていけば、オリンピック開催後も利用が期待される。」という答弁だけでした。
期間限定の需要だと改めて思いました。
しかも、東京からは「オリンピックの間会場が使用できないから、受け皿になってくれて助かります。」と言われていると答弁の中で県が言っていました。
あくまで、一時的な理由にすぎません。
大規模展示場は、無駄な箱もの大型開発です。そのうち「大規模展示場のような施設に赤字も黒字もない。」と言って愛知県が財政支援を行うということが想定されます。県民への負担の押しつけです。一時的な効果しか見込めず、先の見通しも具体的に示せない大規模展示場は、見直すべきです！！