3/30 国土強靱化と云う税金バラ撒き財政悪化策
 阿〇総理の目玉たる国土強靱化政策に至っては、ナチスのアウトバーン建設を猿真似したものと云っては怒られるだろうか。ナチスはドイツの産業の強化をスローガンに掲げた。我が国の政府も国土強靱化政策と公称し、名目としては「防災・減災」を掲げている。
 云っちゃ悪いが国土強靱化って、意味ワカンナイ。防災・減災が目的と言われてもねぇ。それ自体当たり前過ぎて、反って何か取って付けた様で、如何(いか)にも業(わざ)とらしいんだよなぁ。国土の何を強靱化するのか知らんが、それで何から防災・減災されるというのか。地震とか台風とかの自然災害なら、そもそも予測不能で取り組みも虚しいのではなかろうか。
 日本列島、5万年前だか10万年前だかから我々大和民族が住み続けるこの列島だが、その地盤が活発な地殻の生成と変動の中に組み込まれているってのは動かし様が無い事実と思うが。仕様がないよ、火山列島として現に列島全体が活動中で、地殻が生成過程にあるって云うのは。200万年位経たないと日本列島を支える地殻は活動休止期に入らないだろう。
 台風にしたって亜熱帯モンスーン気候だもの年中行事だ。地球が自転して大気が還流する以上、台風が発生しなくなる訳で無し、防げないし減らせないだろう。防災・減災と賢(さかし)らに叫ぶほど如何(いかが)わしくて胡散臭い。地震や台風を防げるとか減らせるとかデマゴーグして、不必要な公共事業を山奥や海辺に展開して数年後の廃墟を製造する方が、ヨッポド罪なのでは有るまいか。
 ナチスのアウトバーン建設も阿〇総理の国土強靱化政策も、大規模公共事業による景気浮揚策と云う面では一緒だ。但し日本の場合、財政悪化を招くだけなのは、筋の悪さから歴然であるが。
 国土強靱化政策なるものを聞かされた時、心優しき国民のほとんどは公共投資による散財地獄、即ち財政悪化と赤字国債発行の泥沼スパイラルの悪夢が蘇り、凍り付いたのではなかろうか。熊も通わぬ山奥に道路を通したり、北海道の最果てに神々しいまでの文化会館を聳え立たせて、利用者も無いまま管理人一家の宿泊施設と化せしめたりと、荒涼たる廃墟が残るだけの光景が目に浮かび、慄然とする。
 日本に較べ、ナチスのアウトバーン建設は財政悪化どころか逆に財政の健全化に役立った。因みにアウトバーンはドイツのみならず欧州経済の大動脈として今も健在だ。インフラとして産業・工業・観光の発展に寄与した功績は計り知れない。
 このアウトバーン建設を通じてインフラ整備どころか中央政府の財政まで整備してしまったのである。この辺りは冴えている、何処ぞの政府とは月とスッポン。ナチスは600万人いた失業者を43万人に減らしたが、その何百万人かはアウトバーンの建設を通じて吸収された。アウトバーンの建設が何年も続く間、失業者は就業状態に替わるので、政府はその分の失業手当を支払わずに済んだ。何百万人、延べなら何千万人という失業者への給付負担が免れたのであるからドイツの財政は大いに助かり、中央政府の財政は急速に健全化した。