3/1  貨幣の価値下落によるインフレ政策
 どういう事かというと、まず物価が上昇している社会があったとしよう、アメリカや中国やロシアだ。其処は、例えばカレーパン1個買うのに一昨日は100円だったのが、昨日は110円で今日は120円と云う世界だ。どうやら黒〇総裁と阿〇総理の経済観は、この世界を理想とするところから出発している様だ。まず此の出発点からして我々凡夫愚民は理解に苦しむ。七転八倒、懊悩呻吟、身悶えして灰を被って地べた転げ回る程に理解し難いのである。
 処で、此の物価上昇という経済現象は裏から見れば貨幣の価値下落だ。一昨日も昨日も今日も、カレーパン1個そのものの価値は変わっていないのに、貨幣が価値を落している訳だ。貨幣の価値を一昨日を1とすれば昨日は100÷110=0.9で、今日は100÷120=0.83になっている。
 100円あれば一昨日は1個まるまる買えたのに、昨日だと0.9個しか買えず、今日は100円あっても0.83個しか買えない。そんな情けない惨めったらしい世界なのに、黒〇総裁も阿〇総理も、これを理想とされた様だ。そして日本をこの「理想世界」に転換させようと目論んだ。
 其処で凄いのが、黒〇総裁と阿〇総理は、愛すべき日本をして、このカレーパン1個も真面(まとも)に買えなくなりかねない「理想世界」に転換せしむる為の手順として、結果としての貨幣の価値下落の方に、お目をお付け遊ばしたのだ。
 ズバリ「貨幣の価値下落を図ればインフレになる」と云う発想だ。
 1ドル札を買うのに78円していた円を、110円まで価値を下げればいい。78÷110=0.7で、つまり30%の貨幣の価値下落で、これで間違いなくインフレになると踏んだ。そこで黒〇総裁配下の中央銀行挙げて、一丸火達磨となって、円札の土石流投入を敢行した。「野郎ども、輪転機が焦げて爆発するまで刷り捲くれ!」とは言わないでしょうが・・・・。
 天才と狂気は紙一重とか、お二人、あるいは天才か天災か。この発想、常人には信じ難く及び難い。目的と効果の取り違えというか順番入れ替えというか、結果の現象を先取りすることで目的を達成しようという、何とも倒錯的とも転倒的とも云うべき政策なのである。
 見方を変えれば余りに安直・安易、小手先・お手軽な金融一辺倒の遣り方で、経済政策としては、最悪も最悪、悪鬼の所業・悪魔の為業(しわざ)・鬼畜も憚(はばか)る振舞なのである。経済の神様、金融の如来がおられれば、その悪用誤用の姿に悲嘆懊悩なさるに違いない。日本人もとうとう此処まで鈍麻・劣化・頽廃・堕落したかとご先祖様にも顔向け出来ない有り様だ。