2/28 軍事0点、外交0点でもOK  
 現在の経済中心の世界潮流にあっては、日本の指導者は、軍事0点、外交0点でもいい、経済50点なら充分合格なのだ。国辱外交を展開しようが土下座外交に甘んじようが、アメリカの時代後れの廃棄品の武器を買わされようが、アメリカ駐留軍に貢がされ様が、途に角、物価上昇を抑制して実質経済成長を果たせば、現代日本の為政者として合格なのである。
 日本人の矜持だの尊厳だの論ずるのは結構だが、現代国際社会はあくまで経済が主体に動いている。経済で沈没したら国民の誇りも埃(ほこり)もクソもない。従って為政者が、軍事30点、外交40点を取れても、インフレを作為的に起こして、しかも実質経済成長がマイナスなら、現代日本の指導者としては落第失格だ。だいたい靖国神社に毎月命日(15日)に参拝する気概もなくて国民の誇りだの何だの口にするのも烏滸がましいに程が有ろう。愛国者を気取るには千年早いのではなかろうか。
 そもそも物価の持続的上昇(=インフレ)を、経済成長と混同混交ゴッチャにする事自体、基本的な資質の欠格なのではないのか。何で、こんなに杜撰粗雑なオツムなんだ。尤も私も若い頃全然金が無くて、臭いのある合成酒を呷っちゃ翌日頭をガンガンさせながら土方仕事に従事したものだから、その後遺症で頭の中が少し乱雑になっているのでエラそうなことは言えないが・・・。二日酔いの私のオツムと同程度か。
 物価上昇と経済成長は別の概念だ、小学生でも分かるわ、経済成長のために物価上昇を図るという事自体がまずトンデモナイ間違いで謬見・誤謬だ。前提が錯覚・錯誤だから整合性の有る政策の態を成していない。
 更に重ねて、その物価の揚げ方が悪過ぎる。
 物価上昇を政策で標榜するからには、普通に考えれば需要の過剰を生み出すということだろう。需要の発掘、需要の喚起、需要を煽って煽って加熱させる姿が想起される。車だか家だか建築だか道路だか公共事業だか知らんが、途にも角にも需要を煽りに煽るシナリオだ。
 処が現実に何か一つでも加熱した需要の実体でもあるのかと云えば、実は何処にもない。潜かに見聞するところでは新型スマホだかプレステだかの発売で行列が出来るらしいが、ヤラセとは言わんが、余りに限定的な需要だ。しかも末端の末端の消費財だ。目先のモデルチェンジによる入れ替え需要だろう。
 然るに政府がやっているのは、ヤラセの需要よりもっと質(たち)が悪くて血迷っている。錯乱・暴走。何と何と、金融政策を葉茶目茶に発動して円を薄めに薄めて、貨幣価値を棄損・下落させることによるインフレ政策なのである。