7/24 動産執行の自己落札
 断行して倉庫に運び込まれた家財一切は、其の後どうなるか。
 動産執行される。
 倉庫に告示書みたいなのが貼られて、1カ月後位に動産執行します、異議のある方は申し出て下さいみたいなことが書かれてある。誰も見ないわな。
 動産執行の入札者は、まずいない。仮に価値がある物があれば、それだけでも債務者が持ち出していますもの。
 動産類は、不動産落札者が落札して、そのままゴミに出すことになる。
 誰も入札しないから申立人が入札して落札する。動産執行の現地で入札書に住所・氏名と価格を記載して執行官に渡す。
 価格はどうしましょう?、と訊くと「1万でいい。」と執行官に言われる。
 自作自演。半狂言。
 イマイチ釈然としないが倉庫の管理費が嵩むから自分で落して棄てるしかない。
 因みに1万円の根拠だが、東京地裁の遺留品目録で以下があるそうな。
 大型テレビ・・900円
 大型冷蔵庫・・800円
 衣類・・・・・500円(10個ケース)
 雑貨類品・・1800円(35個ダンボール)
 他は押して知るべしである。
 私の記憶で一番高かったのが通常の動産執行をした時の新品の応接セット一式で、確か3000円だった。大きなテーブルとソファー3つの新品のセットが、執行官の評価で、3000円なのだ。
 処で断行はあくまで最悪の場合だ。
 落札後も債務者等が居座り、且つ催告後も債務者等が引っ越さずに強制執行当日に動産類を大量に存置したケースを云う。実際にはほとんどなくなっている。私もここ数年ではない。10年位前に経験したのが最後だろうか。
 通常は「所有権放棄書」や「残存動産所有権放棄書」を用意して、債務者にサインを貰う方法が取られる。動産類の所有権は放棄します、と云う書面だ。
 今でもあると思えるのが、債務者は目ぼしい荷物だけ持って引っ越したが、落札後に不用品の家具やら壊れた電化製品や古い衣類等を残して行った場合だろう。
 この場合、ガラクタであっても債務者の残したものは落札者は迂闊に棄てられないことになっている。捨てた後で忘れた頃に、やおらガラクタの主が現れて「親の形見があったろう。どうしてくれる」とか因縁付けられても困る。
 従って通常は債務者の引っ越し先を捜し出して、債務者から上記の「放棄書」に署名を貰うことになる。どうやって探し出すかって? 
 ヒントは郵便局を使います。
 落札して事件記録をよく検証するのも定石だ。