12/12 インフレは経済成長に非ず
下記のA.B.C.のうち、望ましいのはどれか。
A.インフレ(物価上昇)率3%で、経済成長率0%
B.インフレ(物価上昇)率3%で、経済成長率3%
C.インフレ(物価上昇)率3%で、経済成長率4%

云うまでもなく「C」だ。
大切なのは経済成長することである。経済成長により需要が高まり、その経済現象として物価が上昇するのは、経済活動としての自然の効果だ。
インフレ(物価上昇)だけ発生しても無意味どころか、有害なだけだ。
更めて定義の確認だが、インフレとは「物価の持続的な上昇」のことだ。
インフレが許されるのは、インフレ以上に経済成長がある時だけだ。
インフレ率より経済成長率が下回るなら、仮に経済成長があっても、経済全体の活動としては望ましくない状態だ。

仮に「A」の状況を想定すると、経済成長率0で、給料の増加も0だとする。この状態でインフレ(物価上昇)率3%になったら、大雑把に言えば給料の手取りが、100から、97になったのと、ほぼ同じだ。米が10キロ買えたのが、9.7 キロしか米が買えなくなるということだ。インフレが良い訳ないだろう。

テレビでコメンテーターやら経済評論家やらが得々と話しているが、インフレ(物価上昇)率も経済成長率も、ロクに区別していないのではないかと思える時がある。阿呆の寝言に等しい。

インフレ目標を設定してインフレ(物価上昇)率3%を達成すれば、経済が復活するという。何処に何の根拠があるのか。妄想に近いのではないのか。

無理矢理インフレにしたは良いが、肝心の経済成長率がマイナスになったら、どうする気だ。インフレ(物価上昇)率3%、経済成長率マイナス-3%となったら、目も当てられないだろう。我々低所得者層にとっては給料が6%減らされたのと同じだ。外国をみれば、こんな実例はゴロゴロしている。物価は上がる、経済は停滞して減速する、はい、デフォルト(債務不履行)ですって、実例に困らないだろう。

経済成長の結果、需要に追いつかずに多少のインフレが発生するのは分かる。
しかしインフレにすれば、経済が成長する訳ではないし、現象としての関係性はあるが、理論的関係は不存在だ。証明出来っこ無い。
子供でも嘘が分かるような与太話をテレビで垂れ流すのは止めろ。