12/11 金融緩和政策は、なぜシナリオ通りにならないか。
日銀の、市中銀行に対する貸出金利は、何と 0.1%だと云う。1%ではなく 0.1%だ。これを市中銀行は、企業に1%台半ばで貸し出す訳だ。
一方、企業の方は、総資産利益率は3%台前半で、有利子負債の支払金利は1%台半ばだという。現状でも、2%の純利益が残る勘定だ。
だったら、1%台半ばで借りて、せっせと投資しろと言いたくなるが、現状で国内では3%以上の利益率の出るビジネスは少ないという。
3%以上の自然利子率が取れるビジネスを内需で開拓しないと、設備投資が行なわれず、結果的に円が思うように回らないことになる。
しかし日銀に儲かるビジネスを考える義務もなければ、その立場には無い。
出来るのは、やっぱり「資金供給」だけだ。
そこで思い付いたのが、市中銀行が融資をした分、そっくり日銀が、その市中銀行に資金供給してやるのだという。まさに資金補填だ。
名称が振るってる。「貸出増加を支援するための資金供給」の枠組み、だと。
面白くも何ともない。もっと「サンライズ作戦」とか「暁計画」とかインパクトを考えても良かった。
枠組みとか勿体付けてるが、要は銀行が1.5 %で企業に1000億円融資してやったら、日銀がその市中銀行に、そっくり同額の1000億円を、政策金利の0.1 %で資金提供してやる訳だ。市中銀行は、企業とチョコチョコっと金銭消費貸借契約を締結するだけで、1.4 %の利益を儲けられるという寸法だ。ざっと14億円。
直近8月迄の1年間で日銀は市中銀行に15兆円資金提供してやっているそうな。算数弱くて計算にまごつきますけど、ざっと2100億円、銀行は利鞘を抜いた勘定だ。ウハウハでしょうな、都銀さん方は。
何でも平成22年から既に「成長基盤強化を支援するための資金供給」とやらで資金援助しているが、銀行可愛さの余り、これでも足りずに、更に加えて「貸出増加を支援するための資金供給」をなさるのだという。
そのための「貸出支援基金」の準備はほぼ終っているような書き方だ。
そこで、シツコイけど「基金」って何なんだ。
どう考えても「日銀が刷った円札」としか思えんが違うのか。