12/3 古民家の損益分岐点
結論から言うと古民家として価値があるのは、囲炉裏のある15畳間のみ。一方で解体費が、総額で300万円は超えると思われる。新潟市内の個人住宅でも200万円近く掛かるご時世ですから。それに対し古民家部分は幾らになるかと言えば、仮に古材だけ上手く切り取れたとしても、10万とか10何万とかの話だろう。
 柱は古材として価値が低くとも、外せば現行の建物に利用できる。ただ、上手に解体して、その場で洗浄して、倉庫まで運搬、となると、その手間ひまやら、特殊な運搬車の手配やら、第一解体技術がある人が集まるかやらの問題があって、その問題を金銭に換算したら、かなりの額になる。
 売手は何と買手が決まった時点での更地渡しが希望だと。建物の登記が困難らしい。すると売手側が解体費用を負担することになる。ただしこれだと古材は手に入らない。解体業者から古材を買えば、廃棄物法だか何だかの法令に抵触して違法になる。 では土地建物とも購入の形を取って、解体費を引いて、古材の価値を加える、遣り方はどうか。つまり、総売値〇〇百万-解体費350万+古材価値20万、と言う取引価額を設定するのだ。
 しかし、そこまでしても、梁の解体は困難だろう。柱と梁の木組みを解体できる人材がいない。梁は柱から切り落としだ。柱だけは使える分だけ解体したとする。
 だが上述のとおり洗浄と運搬の問題がある。解体費の他に、洗浄費や運搬費や管理費が発生する。
 こうしてみると、売るも地獄、買うも地獄、と言っては失礼か。損益均衡点に、売手と買手のいずれも至らず。やっぱり道楽の世界なんですかねえ。