私たち人類は魚から進化しました
魚はプランクトンから
プランクトンは細菌からまたは藻から進化しました
すなわち私たちの体でおこなわれていることは
細菌や藻のことを勉強すれば何でもわかる
なぜ病気になるのかなぜがんになるのかどうすれば治るのかがわかるのです
で今日はプロトンポンプ
あ、いきなり引いていません?
有酸素運動って酸素と一緒にブドウ糖(ほかにアミノ酸や脂肪酸)を燃焼して
二酸化炭素と水を作るよね。これを呼吸といいます(内呼吸)
これってブドウ糖の酸化じゃないですか
酸化って酸素をもらう代わりに水素イオンを出しますよね(出すんですよ)
水素イオンは周囲を酸性にします
細胞の中が酸性になると生きていけませんので細胞膜の外にどんどん排出します
しかし細胞膜は水は通すけど、水素イオンは通さないのよ
そこで水素イオンを書き出すポンプがありとあらゆる細胞にはついています
細菌の細胞膜にも、ミトコンドリアにも、光合成をする葉緑素にも
これをプロトンポンプといいます
水素イオンH+は電子を失った陽子そのものですよね。
陽子のことをプロトンというのです。だからプロトンポンプ。
そうすると膜の内外に水素イオンの濃度勾配ができます
半透膜の両側に浸透圧の差ができたらどうなります?
濃い方から薄い方にイオンが流れ込みますよね
じつは膜には穴の空いた酵素があってそこから水素イオンが勢いよく流れ込んでくきます
すると水車(のようなもの)が勢いよく回って発電するのです
そのエネルギーでATPというエネルギー通貨を作るのです
この酵素のことをATP合成酵素といいます。
こうやって食べたものからプロトンポンプによってATPを作るのです。
胃の粘膜にもプロトンポンプがあります。胃袋の中に水素イオンをどんどん排出すると
水素イオンは酸ですから、胃の中はPH1の強烈な酸性になります。これを胃酸といって
タンパク質を変性させて消化します。
しかし不摂生で胃酸が過剰になったり、ピロリ菌で粘膜が傷付くと、胃酸で胃粘膜が溶けて潰瘍になります
そこで水素イオンの排出を減らすためにプロトンポンプ阻害薬を内服するのです
がんはミトコンドリアを持っていない(少ないので)
ブドウ糖を乳酸に変えます
すると細胞内がどんどん酸性になるのでプロトンポンプで水素を掻き出します
周囲の組織が酸性になるとタンパク質が変性して壊れやすくなるので
がんが広がりやすくなります
また抗がん剤は酸性では効きにくいのでがんはますます成長します
そこで胃潰瘍の薬を飲むとプロトンポンプが働かなくなって
がん細胞内は酸性になって勢いがなくなります
昔は重曹をのんでがんの周囲をアルカリ性にしてプロトンポンプを働かせなくしたけどね
あれ、胃潰瘍も重曹をのんで胃酸を中和したし
痛風も重曹をのんで尿酸ナトリウム結晶を溶かしたし
あれこれそれぞれ勉強するよりも
高校のときの化学、酸化還元反応や
生物学、ATPやプロトンポンプの勉強した方が早いじゃん
一事が万事。