乳癌を全摘して、それもリンパ節転移があったのですね
結婚して10年になった一昨年、乳がんが見つかりました。リンパ節転移が7つ有り、術後半年の抗がん剤とホルモン療法を行いました。今年40歳になるので子供を作る最後のチャンスだと思い、ホルモン療法を中止して不妊治療を受けたいのですがいかがでしょうか。

あなたのがんの危険性をインターネットのアジュバントオンラインで調べてみましょう。これは医師が自分の患者さんの生存率を計算できるサイトです(医師としてのログインが必要)。あなたの何もしないで放置した場合の10年後がん死亡率は約50%です。しかし抗がん剤を受けたので死亡率は12%減って38%になりました。このままホルモン療法を併用すると死亡率はさらに減ってが28%となるでしょう。ホルモン療法2年と5年では5年の方が死亡率が少ないことが証明されています。今やめることによって死亡率は33%ぐらいまで上昇するでしょう(これらの数字は条件によって異なります)。
その一方妊娠は生存率に何ら影響を与えません。ただし30代後半で抗がん剤を受けた方の25%は閉経しています。ホルモン療法をやめても生理は戻らないかも知れません。また結婚して長期間不妊だった方は自然妊娠は難しいかも知れません。

お勧めとしては妊娠希望ならホルモン療法をいったんやめてから婦人科で血中ホルモン量を測定して卵巣機能が保たれているか調べましょう。すでに閉経状態なら妊娠をあきらめてホルモン療法を再開。生理が戻ってくるなら自然妊娠をはかる。排卵誘発剤を使用するときは婦人科医とよく相談してください