僕の弟子の一人に韓国人のオム君がいる。彼が僕のクリニックに弟子入りしていたときは、よく恵比寿の在日韓国人がやっていた焼き肉屋に連れて行ったものだ。僕が韓国通なところを自慢しようと思ったのだ。オム君はそこの焼き肉を初めて食べたときに「これはおいしいですね」といった。そのあと「これは何という料理ですか」と聞くのだ。「何を言っているんだ。これは韓国焼き肉じゃないか」と僕が言うと、オム君は「韓国では内臓は食べません。これは日本独自の文化でしょう」といった。
そういわれてみると、韓国でもハラミや腸腰筋は食べるが全て横紋筋で、消化管などの平滑筋は食べない。日本と韓国の焼き肉屋のもうひとつの違いは日本ではキムチやナムルは頼まなければ出てこないし、有料だけど、韓国では無料でお代わりも自由なのだ。ベジタリアンのなぐちゃんは韓国で焼き肉屋に連れて行かれると、ナムルやわかめばっかり食べてます。もうひとつ、韓国では鍋をやるとその汁で必ずチャーハンを作ります。特にヘムルタンという魚介類の鍋をやったあと、具を全部上げて、ゴマ油をコップに3分の1ぐらい注いで、強火で熱します。すると飴状になるのです。そこへご飯をどんぶり一杯入れて、生卵を入れて、手早くかき混ぜるのです。すると雑炊といおうかチャーハンのできあがり。これが世界一おいしい雑炊です。