九州・山口絶景ロード #12 日田市~本耶馬溪町 | 鉄馬写真家 綿屋兼一 オフィシャルブログ

鉄馬写真家 綿屋兼一 オフィシャルブログ

イベントの撮影や、撮影ネタを書いていきますw

「さぶっ」

楽しいツーリングといえども、布団から出るのがホント億劫になってきた。

前の晩は十分すぎるほど気合が入っているが、朝になると起きれないのだ。

歳のせいかはたまた・・・

11月もいよいよ後半に差し掛かり、まもなくやって来るクリスマスや年末商戦に向けて・・・

ではなく、バイク乗りには非常に非常ーに厳しい季節の到来である。

だからと言って冬にバイクに乗らないのは本当のバイク乗りではない!

と豪語しても寒いものは寒く、正直バイクに乗る機会が少なくなっているのが現状だ。

ストレスはそんなにないが、何故か真冬でもバイクで走りたくなるものなのです。

 

 先日たまたま大分県中津市で撮影の仕事があり、道中、紅葉具合をチェックしながらクルマで現場まで走ったことがあった。ネットなどで前もって調べてはいたが、中津市耶馬渓周辺は秋真っ盛だ。

勿論だが、ツーリングコースを考慮しながら帰路へと着いたのは言うまでもないが。

翌日未明、自宅の窓から外を眺めると雲一つない夜空が明かりと共に広がっていた。

「予定もないし行くか・・」

ごそごそと準備をはじめバイクのカバーを剥いだ。

すぐに曇るスクリーン、暗闇に映るデジタルメーターのバックライト。

張り裂けるような冷たい空気の中、スーパームーンを見つつ昨日行ったばかりの中津市へ愛車KLXで再び向かった。

 

 まだ極寒とは言えないなか、カラダはカイロなどで十分暖かくする事が出来るが、顔はどうやっても寒かった。ネックウォーマーをしていてもクルマでは感じる事ができない刺すような痛みが顔面を強襲する。

東の空がようやく薄明るくなってきた。

果てしなく広がる田園地帯の先に、霧なのかもやなのかわからないが、幻想ムード満点の世界が広がっている。

「撮りたい・・・」

 

あれだけクルマの多い国道も、早朝となるとかなり思いっきり走る事が出来るものである。

昼間なら30分かかる道もたった10分で通過だ。

そういえば道中、ハイビームにしていないにもかかわらず対向車に何度かパッシングをされてしまった。なんでだろうと思いながらも、先へと進んだが、明るくなるにつれてパッシングも無くなり、光軸調整の必要性を感じた。

 

家を出て50㎞ばかり走った時だった。

福岡・大分を流れる筑後川の堤防付近での出来事だ。

ギャンギャン前を行くクルマを追い越しながら先を急いでいると、突然燃料ランプが煌々と光りはじめたのだ。

「うっそ~まじか?昨日満タンにしたぜ?」

最近忙しかったせいで疲れ過ぎて勘違いしたのか、タンクのゲージが壊れたか。

もしくはぼけてきたのか・・

答えから言うと、実は昨日満タンにしたのはクルマだったのだ(汗)

 

途中にあった道の駅でコーヒーを飲み、案山子を見ながらさらに東へと向かった。

とにもかくにも寒かった。

休憩では、エンジンにかざした手の平から全身へと温もりが伝わっていく。

今まで乗ってきたバイクには贅沢にもグリップヒーターが付いており、しかも風が直接当たらなくて暴風効果の高いカウルの付いたバイクだった。

とにかく、雨だろうが寒かろうがあまり気にすることはないバイクだったのだが、KLXはというと直接風が体全身に当たるため、体温を奪われまくって非常に寒い思いをしなければならなかった。

防寒対策に力を注がなければいけないのは周知の事実だったが、冬のジャケットを買う勇気がその時は残念ながらなかったのだ。

なぜなら。

超貧乏性だからだw

 

7時を回るとさすがにクルマも増え、日の光も手伝ってか温度が急上昇していくのがはっきりとわかった。あわただしく行き交うクルマを横目に見ながら、昨日メボシを付けていたポイントに到着し、そして、すぐ近くのローソンで肉まんを購入し撮影の為の戦闘態勢にはいった。

川を挟んで青の洞門が見える場所にある鳥居まで来たが、いったいどこに本殿があるんだろうと悩んだが、どうも写真とは真逆の北側の山にあるらしい。

 

 

この季節、太陽光はまことにありがたい。

動きまくったせいか、あっという間に革ジャンの中には汗がジワリと滲んできた。

「風邪ひくばい・・」

稜線から光のシャワーが降り注ぎ、地面から湯気が昇り出す幻想的な風景が現れる。

一通り撮影した後、中津市内で有名な青の洞門の入り口に立った。

ここには大きな銀杏の木があり、バイクで行った際はいつかは写真に納めたいと思っていた場所だった。

 

 

クルマなら止めるところがなく、ついつい素通りしてしまうのだが今回はバイクだ。

寒い思いをしてきた甲斐があったってもんである。

早速入り口付近にバイクを停め撮影開始である。

紅葉のタイミングは申し分なかったが、有名な観光地の為か、写真を撮り終えるころになると多くの観光客がワラワラと集まりはじめ、記念撮影をおっ始めたのだ。

諦めも肝心とばかりにその場を譲った。

 

 

銀杏の葉の絨毯とはとても言い難いが、とてもちいさな秋を満喫し、それから耶馬渓橋などを周り、次なる目的地目掛けバイクを走らせた。

 

 

気温もぐんぐんと上昇し、春のうららかな陽気が・・・とはとても言い難かったが、「顔」以外は本当に春を感じた。

もと来た道を戻り、今度は西方向へと舵をきった。

どこだったか、道沿いにたくさんの人影(案山子)を発見したのだが

「ふーん、すげ」

と、感心だけしてその場を通り過ぎようとしていた。

しかし次の瞬間、出発前に案山子と一緒に撮影しようと決めていたのを思い出し、急遽Uターン。バイクは何処に置こうか・・

などと色々場所を変え角度を変え「定位置」を探していると、遠くより一台の小さなマイクロバスが迫ってきた。

「やばい・・・」

接近戦で撮りたかったが、ワラワラとバスから降りてくるご老人方たちには抵抗が出来ず、泣く泣くその場を諦めるしかなかった。

さて、次の目的地出発だ。

 

 

日田市内から小石原方面へ進路を変え、紅葉が綺麗な穴場スポットへと向かった。

時期的には少々難あり?かもしれないが、昨年同様きれいな紅葉を写真に納める事が出来た。

 

 

 

2016 小さな秋

もうちょい続く・・・