
『リング』『呪怨』などで世界を震撼させてきた一瀬隆重プロデューサーと数
々のJホラー作品の脚本を手がけてきた高橋洋監督が、Jホラーシアター最終
章とし完成させた話題作「恐怖」。7月10日(土)に東京・テアトル新宿にて
主演の藤井美菜をはじめ、脳科学者役を演じた片平なぎさもかけつけ、高橋洋
監督と共に舞台挨拶を行いました。
【藤井美菜】
普通の映画だと、演じるキャラクターには陰と陽の両方の部分がありますが、
今回はホラー映画ということで、陰の部分しかなくて。「ギョッとする」「ハ
ッとする」「ゾッとする」という幅の狭い3つの感情のなかで演じ分けないと
いけなかったのですが、感情を折れ線グラフにすることによって演技にメリハ
リをつけるようにしました。私の役が一番この作品の中で唯一人間らしい役だ
と思います。撮影現場での恐怖体験はお祓いをきちんとしたせいか、特に心霊
現象はなかったのですが、廃墟で撮影をしていたので床が抜けてしまい、リア
ルに恐怖を感じました。今回の映画は、人間の脳というまだ現代でも解明され
ていない未知の分野を扱った新しいホラー作品だと思うので、もしかしたらこ
の先、ノンフィクションとなるのではないかなと思います。ストーリーの中に
いくつも伏線が隠されていて奥が深い作品なので、ぜひ何度でも観ていただき
たいなと思います。
【片平なぎさ】
高橋監督からは当初「スチュワーデス物語」の新藤真理子のイメージでお願い
しますといわれたので、もう一度家で「スチュワーデス物語」を観て演技に臨
みましたが、監督から「もっと人間としての感情や母性を捨ててください」と
いう指導を受けたので、(「スチュワーデス物語」を)あまり観た意味はあり
ませんでした(笑)。完成した作品を観たときに、答えは一つでなくていいし、
観た人がいろんな解釈があっていいんだな、またどういう解釈をしたか語り合
うことがあっていいんだなと思いました。是非、皆さんも色々な解釈をされる
かと思うので、感想をホリプロまで送ってください(笑)。
【高橋洋監督】
Jホラーシアターの監督はみんな、今までの「リング」や「呪怨」などの幽霊
が怖いという映画じゃないホラー映画の可能性を探ろうとして映画を製作して
いたと思うんです。それで今回も、今までのホラー(いわゆる貞子みたいな幽
霊が出てきて怖い)とは違うことをやろうとしたので大変苦労をしました。そ
の結果、脳味噌という人間の根源的な部分に触れてみたら一体何が見えるんだ
ろうか?ということを描いた「恐怖」が出来上がりました。この作品がいわゆ
る貞子みたいな幽霊が出てくる代表的なJホラーではない、もっと広い意味で
のホラーが作られるきっかけとなってくれればいいなと思っています。
センチュリーシネマで、7月10日(土)~公開中