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成功の影に潜むもの
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「偉い人の門番をした人に出世するものが少ない」といわれます
先生を訪ねて、さまざまな人がやって来てぺこぺこ頭を
下げるのを見ているうちに自分が偉くなったように
勘違いしてしまい、一角の人物になったように振舞い、失敗してしまうのでしょう。
以前、大手の食品会社に勤めていた管理職の人が脱サラをして、
独立するにいたった経緯を話してくれたことがあります。
大手に勤めていたときは営業成績も大変よくそれが評価されて管理職にまでなり、
業績が落ち込んでいた部門を見事V字回復させたこともあったそうです。
そんな経験もあり、独立してもうまくやっていける自信があったそうです。
ところが独立してみると、今までは簡単にとれた新規の注文もまったく
とれなくなってしまい、独立初期は相当苦しんだそうです。
そして気がついたのは、今まで自分が営業成績がよかったのは、
大手企業という信頼があったからであり、自分にものすごく力があったわけでは
なかったんだなとつくづく知らされたと苦笑いされていました。
今ではその経験を活かされて、地道にやっておられるそうです。
私達は、うまくいっているときや調子のいいときは全部自分の力で
成し遂げたんだと誇りに思い、自負する気持ちが強く出てきます。
たしかに自分の努力がそのような成果に結びついたのでしょうが、
そこに「慢心」という恐ろしい心が潜んでいることを仏教では指摘されています。
慢心して天狗となり、後年、大変な目にあうこともしばしばです。
心していきたいと思います。