【2021リーグ戦日程の発表!ACLを考慮すると超過密日程に】

 

Jリーグの今季日程が発表されました。今季は全20チーム、降格枠4チームの条件のもと、シーズンを戦っていくことになります。特にACLに出場するチームは昨年の比ではないほどシビアな日程となっています。

 

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(名古屋グランパス公式ホームページより引用)

 

アウェイやホームの連戦による偏りなどに文句を言う暇はなし。中2日も非常に多く、第28節までは大半が中2日・中3日の試合間隔です。

 

まず2/28の開幕戦後、中2日・中2日・中3日・中2日・中3日・中3日と続き、3/21の第6節鹿島戦後に代表ウィーク(2試合の親善試合を予定)でやっと2週間のブレイク。4/3の第7節FC東京戦でリーグ再開、そこから再び中3日・中3日で4/11に第9節大分戦を迎える。第10節鳥栖戦の日程が未定だが、4月下旬から5月上旬にかけてACLのグループステージ集中開催期間に入る見通しのため、恐らくは鳥栖戦も4/14or15あたりに中2日or中3日で組み込まれ、試合後にACLに向け移動となる可能性が高いのではないか。ACLのグループステージの日程が正式決定後に鳥栖戦の日時も発表されるものと思われる(ACLグループステージは今年もカタールでの集中開催?)。

 

ACLグループステージは、1グループ4チームによるホーム&アウェイ方式で実施するため、6試合を集中開催により消火するものと考えられます。またACLの集中開催は昨年度同様に中2日で試合消化していく見込み。完全に(仮)の予想ですが、例えば4/21・24・27・30・5/3・6の6試合開催などが想定されます。

 

ここまで見てもわかるように、代表ウィークを除くと本当に休みがありません。中3日は当りまえの日程で、ACLが今年も中2日での集中開催となれば、中3日よりも中2日での試合間隔のほうが多いことになります。

 

しかしACLグループステージを終えても息をつく間もないのが今季のJ1リーグ。5/6前後にカタール(仮)でACLグループステージ最終節を終え帰名、早速1週間も経たないうちに5/12の第12節で同じくACL帰りの川崎と今季初対戦。しかもここから今季唯一のアウェイ3連戦。はい、間違いなく地獄の日程です。

 

川崎戦後、中2日で清水戦(隣県なのが本当にせめてもの救い)、そしてやっと今季初の中6日でアウェイ徳島戦です(間違いなく清水戦後、同日中に名古屋へ戻って翌日はオフ、もしかすると翌々日もオフになるでしょう)。その後、中3日で仙台戦、中3日で浦和戦を戦います。

 

5/30の浦和戦を終えると代表ウィークです。ここでワールドカップ予選が行われます(親善試合2試合、W杯予選2試合を予定)。ここで束の間の休息を取り、6/19の第18節横浜マ戦から再び約1か月の過密日程に入ります。中2日で広島戦、中4日で鳥栖戦、中2日でC大阪戦、中3日で鹿島戦、中6日で早くも今季2度目の川崎戦を迎えます。実は第18節横浜マ戦から第22節川崎戦まではホームが5試合、アウェイが1試合(鳥栖戦)のみという過密ながらも有利な日程。そこでいずれも難敵6チームと戦えるわけでここはどうにか味方につけたいところ、シーズンの山場ともなりそうな1か月と予想されます。

 

さて第22節終了後、約1か月のオリンピック期間に突入します(十中八九は中止になるはずですが)。リーグ再開は、8/9の第23節横浜FC戦。その後、中4日で湘南戦、今季初の中7日で福岡戦、中2日で札幌戦、中3日で清水戦を戦います。

 

9/11or12の第28節徳島戦以後は、リーグ日程のみを見ると基本的に1週間に1試合ペースに戻りそうではありますが、実はACLを勝ち進んだ場合、ここにラウンド16(9月第3週を予定)や準々決勝(9月最終週を予定)などが組み込まれていくことが予想されます。また、現状ではグループステージのみが集中開催とも言われており、その場合は再び超過密日程を強いられる可能性もあります。ただし、いずれにしてもこれ以降は未知数な部分が多いため割愛します。

 

 

 

【異常なほどの過密日程、マッシモ名古屋どう乗り切る?】

 

このようにACLの日程自体はまだ未確定ではありますが、今季の9月上旬までかなりの過密日程を強いられることになりそうです。

 

ポイントは①序盤戦で躓かないこと(代表ウィークまでの6連戦)、そして②ACLグループリーグ集中開催前後のコンディション管理(この前後にリーグ戦で調子を崩さないこと)、③6月中旬からの難敵6連戦(横浜マ・広島・鳥栖・C大阪・鹿島・川崎)でホーム開催の地の利を生かして勝ちを積み重ねられるか、になるのではないかと予想しています。

 

中2日や中3日の連戦ではコンディション回復に努めることが精一杯。相手のスカウティングに関してはマッシモ監督や和田コーチら首脳陣の"得意分野"でもあり、限られた時間でもしっかりと準備はされるものと思いますが、如何せん試合前の練習でそれらを実戦形式で落とし込むことは至難の業です。ですから、キャンプ期間中、および開幕前までの練習でどれだけチームとしての伸びしろや課題を全体で共有できるかがまず鍵になります。そのうえで、試合前の限られた時間でスカウティングをもとにチームで対戦相手への対策を共有、特に対戦相手によってフレッシュな選手や対戦相手の特徴に合わせた選手を起用できるかが重要になると思われます。

 

 

特に今オフ名古屋の補強は①選手間の競争、②全体の"質"の向上、をテーマとしました。ベンチ入り争い含め、昨シーズンよりも激しくなることは確実ではありますが、数的にはまだまだ「足りない」というのが実情。"数"の面からみるとCBとCMFではどれだけ疲労の蓄積を抑えつつ、現有戦力を上手に起用していけるかが問われるのではないでしょうか。

 

仮にCBを丸山・中谷・木本で、CMFを稲垣・米本・長澤のそれぞれ3人で回していくと仮定すると、理論上は3試合に1回は不出場or途中交代によって疲労を軽減することができます。ただし、マッシモはオートマティックにスカッドのローテーションをおこなう監督ではないため、実際には各選手により負担はかかっていくことになるとは思います。以前にも触れた通り、木本は丸山・中谷に比べて自陣空中戦に強い選手、CMFでは長澤は稲垣・米本に比べてより攻撃的なタスクを負うことに長けている選手です。他ポジションでみても今オフの新加入選手は現有戦力とはまた特徴の異なる選手ばかりです。対戦相手の特徴に合わせた選手起用をおこなう過程で、最大限の疲労蓄積の軽減を図ることが監督のマネジメントとして問われることになるのではないでしょうか。(さすがに中2日でも耐えられるのは鉄人・稲垣と過去2シーズンリーグ戦フルタイム出場の中谷くらいでしょう...あぁ怖い)

 

 

 

【最後に...】

 

以前の記事で、新体制発表会の場において大森SDは「監督からもあと2人欲しいとリクエストされている」「数はまだ足りない」という趣旨の発言をしていました。そこで、本ブログでも外国籍枠をリーグ戦であと2枠、ACLでもあと1枠を残していることから、監督がリクエストをしているらしい2人は外国籍選手からリサーチしているのではないかと指摘しました。

 

現状、新体制が判明していないのはFC東京のみ(違ったらごめんなさい)と思われます(F東は25日18時-19時にライブ配信だったはず)。国内でも多くのクラブはキャンプに入るなど始動済み。国内銘柄ではもうほとんど動きはないと思われます(新潟の本間至恩、C大阪退団済みのレアンドロ・デサバトくらいかな?)。それゆえ、今後動きがあるとすれば各クラブとも海外市場からの選手獲得が99%になるはずです。

 

CFとCMFの2つを補強ポイントとして指摘したことには2つの理由があります。

 

CFは①選手数的理由、②戦術的理由になります。①は難しい点で、現状CFは柿谷・山﨑の2人。ただし、シーズン後半での復帰が見込まれる金崎を含めると3人となります。各選手の実績を考えるとここにもう1枚外国籍選手を加えるか否かというのはシビアな判断にもなります。ただし、現状では柿谷・山﨑のいずれかが離脱すると非常に厳しいわけです。CFには若手すら在籍していないため、前田をトップに据えるなどの"応急処置"で乗り切るしかなくなります。

 

特に②が重要だと思います。昨シーズン終盤は阿部(シャビエル)と前田(山﨑)のゼロトップで一定程度チームとしても機能し、結果は残しました。ここに磨きをかけることで、「相手に掴まれにくい攻撃を組み立てる」ことは間違いなく今季の課題の一つ。ただし、ACLではさらに高い強度の守備網を中央に敷かれたときにほとんど"地上戦"のみのゼロトップでそれを突破することは至難の業であろうと思います。また、長身の外国籍CFを獲得できれば「ポストプレーを介した早い攻撃」と、柿谷を軸にした「ゼロトップによる流動的な攻撃」の2戦術を、選手のローテーションと並行して、チームとして使い分けることも可能になります。

 

リーグのみで"上位"を狙うのであれば現有戦力でも十分に狙えると思いますが、ACLでクラブ初の決勝進出、さらにJ1優勝を目指すのであれば長身の外国籍CFの補強は必須だと思います。

 

CMFについては米本がシーズンを通しては計算できないことにあります。彼のプレースタイルが積極的にボールを刈り取りに行くスタイルのため必然的に接触プレーが増えることに起因していますが、いずれにしても怪我がちで昨シーズンも長期離脱する時期がありました。そのときにCMFも若手がいないため、稲垣・長澤に頼らざるを得ないということになります(どうにもならない場合には相馬を起用するのではないかと思いますが)。CMFは名古屋の"心臓"。中2日で上記のような事態に陥ると、連戦から中盤の運動量が落ちる可能性が高く、補強の必要性は高いということになります。

 

Jリーグの移籍期間は3月下旬まで。とはいえ実質的には開幕1週間前くらいまでが期限になると思われます。現状では入国制限が少なくとも2月7日まで続くため、リリースを急ぐ必要性はありませんが水面下でしっかりと動いていることを期待したいと思います(確度の少ない噂はあります)。

 

大森さん頑張れ!!