私の両親は、もともと仲があまりよくありませんでした。
どうも、姑(祖母)と母親の関係がよくなく、祖母は嫁いできた母親に対して、冷たい態度を取っていたようです。
頼みの父親ですが、父は祖母の味方をしましたので、母は孤立無援でした。
母親にとっては特に、祖母の介護がイヤだったようです。
直接聞いたことはありませんが、母は離婚を何度も考えたと思います。
「私が死んだら、決してこの家の墓には入れないでくれ。私の骨は私の実家の墓に入れてくれ」
これが母の口癖でした。
小学生ながら、夫婦間は冷め切っているように見えました。
状況が変わるのは、祖母を老人ホームへ入れたときです。
父も重い腰を上げて、祖母を介護施設へ入れることを決断したようです。
それまで父は、老人ホームへ入れることに反対していました。
「母(祖母)は自宅で介護する。そして、介護をするのは、お前(母)だ」
そういうタイプの父親でした。
実際に祖母を老人ホームへ入れると、みるみるうちに母親が元気になっていきました。
「以前までのイラつき具合は、どこへ行ったの?」
そう感じるほどでした。
祖母の介護が、かなり負担になっていたのでしょう。
少し時が経ち、ふと母の手を見ると、結婚指輪をしていました。
「あれ? そんな指輪してたっけ?」
そう聞くと
「うん。押入れにしまってあったのを思い出したから、引っ張り出してきたんだ」
と返ってきました。
「ふーん」と言いながら、内心では仰天しました。
小学生のとき、「うちは離婚するのかな?」と不安を感じた時期もあったからです。
「こんなに簡単に夫婦の仲は良くなるのか?」と不思議に思いました。
祖母を老人ホームに入れてから、夫婦の仲は温まっていったのです。
今では、二人でヨーロッパ旅行に行く始末です。
人生、何が起こるか分からないですね。
そして意外と人生は、きっかけさえあれば、すぐに変わるものなのかもしれません。
【おまけ】
父親にヨーロッパ旅行に連れて行ってもらった母親の反応は、耳を疑うものでした。
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