①クロコダイルレザーのアンティークトランクリペア

次はこちらのリペアになります。

およそ100年前のクロコダイル革を全面に使った重厚感あるアンティークトランク。

サイズも約65(ﾖｺ)×39cm(ﾀﾃ)とかなり大きい物です。

サイズ(厚み)調整の為の2本のベルトの裏革張り替えリペア、

取っ手付け根の補強リペア。

触りながら作業工程を予想していますが、きっとそれを遥かに越える難儀さになるでしょう。

そしてまた面白いのが、made in Japan、しかも私も地元である名古屋製であるという事。

リペアにお持ちになられたお客様からお聞きし、私も調べました所、

■1611年(慶長16年)：尾張国の織田氏の小姓の子孫である伊藤祐道(通称：蘭丸)が名古屋本町で「いとう呉服店」を創業。

■1768年(明和5年)：江戸進出。上野の「松坂屋」を買収、「いとう松坂屋」と改称。

■1910年(明治43年)：「株式会社いとう呉服店」を設立。名古屋・栄町に百貨店を開業。

■1924年(大正13年)：銀座店開店。

■1925年(大正14年)：全店の名称を「松坂屋」に統一。

と簡単にですが纏めました。

1925年以前のトランクである事は確かです。

当時でも、このクロコダイル革が全面に使われたこのサイズのトランクは相当な金額だったのではないかと…

こちらのトランクが実際に使われていただろうスーツにハット、ステッキも持っていたかもしれない。

そんな100年前の上流階級の紳士姿を想像すると……

承ったのがとても私では恐れ多くも感じてしまいます。

ただ、何十年と経験がある訳でもない私に御依頼して頂けたのは、

とても嬉しいですし、歴史を繋ぐような、とても大きな役目をするように思います。

私自身も愛でたくなる程の物を

「直す、甦らせる」

やはり素敵な仕事を選んでいるなと強く思わせて頂けるリペアになりそうです。

★作業スペースが足らないので増設しました。

せっかくのフィールドデスクですが全て広げるスペースはありませんでした…

今回の約160cmもあるアジャスターベルトの裏革に使う革、

実際に見て雰囲気に近いものを選びました。

初めは問屋、知人のお店など回りましたがこれが160cm取れる長さがなく…

半裁(一頭の縦半分)を購入するのは高すぎるし…

.

(なかなかストックしておくにも、リペア業だと毎回物が違いますし負担が大きい…💨) .

なので、以前働いていた革物屋の工場にある革から仕入れさせて頂きました。

.

おかげでとても色、質、風合いの良い革に出逢えました。

こちらの希望した厚みに透いてくれています。

当時20歳頃は後にレザーリペアをやるようになるとは考えてもいませんでしたが、良い道を選んできています。

爬虫類の革は薄いです。

簡単に剥がる部分とそうじゃない部分が。

元から千切れていたベルトから始めています。

気を抜くとまだ繋がっていた部分まで千切れてしまうので、太糸のステッチを全て切ってから、

裏の牛革帯を丁寧に…慎重に…剥がします。

100年という年月…長い。

ゆえに劣化が激しい。

なるべく欠損が出ないように。

そして全て剥がし終わったら、

ボンドがしっかり付くようにクロコダイル革の裏面をヤスリます。

そして日中の工房が暑くなってきました…

7月1日、初クーラーです＼(>_<)／

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#souvenirrepairworks #leatherrepair#crocodile #antiquetrank#いとう呉服店 

#ｸﾛｺﾀﾞｲﾙﾚｻﾞｰﾄﾗﾝｸのリペア

(お客様ごとにハッシュタグで工程など一部始終をまとめていきます)

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～SOUVENIR REPAIR WORKS～



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