昨日はライフネット生命保険株式会社の会長出口治明氏をお招きして講演会&交流会を実施しました。


開始前の一コマ。MYCAFE内のブランコでリラックスムードの出口会長。
*レアですよね!


講演会には23名が参加。1時間の講演と、1時間の交流会を実施しました。
私は司会を務めさせていただきました。


みなさま熱心に聴講しています。


「大きい名刺」も登場!

◇講演内容まとめ
さて、恒例の講演内容のまとめです。


今回は司会でしたが、講演内容はみなさまと同様、聴くことができましたので、メモをびっしり取ることができました。2011年にも講演をお聴きしているのですが、レジュメはあまり大きく変わっていない気がします。しかし、話の内容は大きく変わっていました。とても示唆に富んだ内容でしたので、ご紹介していきたいと思います。


1.国語ではなく、算数で考える
例えば、「自民党圧勝」と新聞に書かれているが、比例代表で自民党に入れた人は18%。これは「圧勝」なのだろうか?
1961年にサッカーチーム1つで高齢者を支えていた(しかも平均年齢66歳)、それが現在は騎馬戦になり、ついに肩車になりつつある(いつもながら、たとえ話が面白く、分かりやすいですね)。若い人の負担は、15~20倍くらい重い。長生きはよいことのはずなのに、それが悪いかのように扱われることも。

→たしかに数字で話をしないとぼんやりしますし、物事が正しく伝わらない可能性があります。私もプレゼン研修でいつも触れますが、数字を使うことにより「迫力」を出すことができます。「しごと塾で女性の参加が多い」と言ってもぼんやりです。そうではなくて、「6年で108名が参加して、うち70名が女性です。それは全体の64.8%です。」と言うと、状況がはっきりイメージできます。

2.タテ・ヨコ思考の重要性
例えば、夫婦別姓問題。タテ軸=時間軸で考えると、男女同性になったのは明治以降であり、むしろ同性の時代の方が短い。一方ヨコ軸=他国、世界を見てみると、OECD加盟国のうち、同性を強制している国は一つもない。となると、夫婦別姓であることは別に伝統を破るわけでも何でもない、という考え方に行きつくということです。

→歴史から学ぶというのは、こういうことかもしれません。客観的な判断材料を集めて、意思決定がより確かなものになるでしょうね。普段からタテヨコの意識があると、色々な場面で役立ちそうです。

3.人と違うことを!
江戸時代の豪商の教え。世間に向けての家訓ではなく、家の中で実際に引き継がれてきた考えと言うのは共通点があり、それは「人(世間)と違うことをせよ」ということ。人様の真似をしていても、家は大きくならない、人と違うことをしてこそ、発展があるということです。

→「リスクテイクを嫌がる」空気が日本では強いので、起業家にあこがれる人の割合も極端に低い数値が出ています(GEM調査で「起業家は望ましいキャリアか?」という質問でYESと答えた割合が28%程度)。だからこそ、リスクテイクする人は目立てるということでもあります。欧米のビジネススクールでは「君がやらずに誰がやる!」という刷り込みを行うという話も聴いておりますが、起業したいということは、まさにそういうことなのでしょう。「人がやらないことに、活路あり」です。

4.自分自身も、同じではいけない
例えば、いま5時間かかっている仕事があるとすると、来年も5時間かかるようでは全く進歩がないので、これではいけない、ということです。効率を上げようと思ったらどうするか。仕事を「ゼロクリア」で考えるのです。

→もちろん時間だけでなく質の問題もあります。仕事が同じであれば、もっと上を目指して動いてきた人に抜かされてしまいます。これは私がスポーツをしていたときも経験しました。休部して1年弱のブランクがあった人達を後輩が次々に抜いていき、レギュラーの座から引きずり降ろしていったのです。1年の積み重ねと言うのを肌で感じるとともに、努力の積み重ねというのはいかに貴重かを知ることができました。

私は毎年起業セミナーの講師をしておりますが、前年と同じはありえないと考えています。というわけで、昨年も参加した方は楽しみにしていてください。新しいネタ、たくさん用意しています。

5.人・本・旅と坂本龍一の「音符」の話(←これとてもよかったです!)
坂本龍一はラストエンペラーなどの楽曲を手掛けていて多くの人が「才能あふれる」と感じているにもかかわらず「僕には才能なんかない。ただ、赤ちゃんの頃から親がずっとかけてくれていたレコードが好きで、クラシック・歌謡曲などいろいろな音を聴いていて、脳が昔聴いた音符を組み合わせてくれるので、曲が作れるのです。」という趣旨の発言をしたとのこと。音符がなければ、曲は書けない。その「音符」を増やしていくために「人・本・旅」が必要です。人と会い、たくさん本を読み、足を使っていろいろな場所へ出かけて、体で覚えるということが重要です。これらをまとめて「勉強」といいます。

例えば日本人の役員が10名いる会社は、共通する「同じ音符」が入っている可能性が高く、アイデアが創出される可能性は高いとは言えない。持っている音符が違えば、アイデアもたくさん出てくる。

そして、人・本・旅に関しては、インプットの後でアウトプットをすると記憶に焼き付き、自分の身になる。整理し、言語化する、つまり誰かに話すこと、ブログやFB、Twitterで発信すること、日記に書くこと。これらにより、「音符」となります。

→この話を聴いて、今回の「まとめ」に関しては必ず翌日までに完了しよう!と誓いました(汗)
講演まとめに関しては、周囲の方が割と楽しみにして下さっているので、私も張り合いがありますし、「見られている」「読まれている」という意識のもと、言葉を選びながら文章を書いております。

音符を増やすこと、私も体に鞭打ってインプットをしておりますが、アウトプットはまだまだできそうな気がします。本に関しては今週は「圧倒的に読書量が足りない」と考えさせられることが続きましたので、早速行動を始めました。まずは2冊経営本を買い、読んでいきます。

前回(3年前)の出口会長の講演では「音符」というキーワードはなく、この辺りも「同じではいけない」という話の説得力がありましたね。私も進化できるよう、励みたいと思います。


6.スマホの発達という脅威
スマホが普及してきて、生保の申込みに要する時間が大幅にアップしたとのことでした。PCとい比べて画面が小さいことが原因ですが、そのおかげでネット経由で保険を自分で申込みするのではなく、窓口に行く人の割合が増えたとのこと。何とも意外ですが。そこで、「技術進化には、技術で倍返しする!」ということで、スマホで操作しやすい改良を加えました。実際に「スマートフォンによる生命保険申込みサービス」で「2013年度グッドデザイン賞」を受賞しています。

→課題に対してきちんと対応策を考え、そして行動していくところはさすがです。次に触れる東日本大震災対応も素晴らしいと思います。

7.東日本大震災での安否確認
大震災が起こり、社員総出で安否確認をして、1か月で全ての契約者の安否確認を修了したそうです。事務員100名で交代しながら実施したとのことで、業界としては保険料不払いをはじめとして叱られることばかりですが、財務大臣や金融庁長官から「初めて褒められた」とのことでした。

→こういう意思決定ができる組織であることが素晴らしいですね。出口氏の著書にもありますが、「社長が決めたことを社員が却下する」。実に風通しの良い会社ですね。

8.理念や経営スタンスに共感してもらわないと、モノは売れない
20世紀はモノが溢れているので、そうでないと買ってもらえないということです。
→ものを作れば売れる時代は、日本においては終了しています。買い手は「選べる」時代ですから、他社との違いを明確にしなければなりません。ただし、「価格」だけでアピールしてしまうと、価格で負けたときにすべてを失う可能性があります。価格競争に終わりはありませんし。ですから、会社が向かっている方向性を理念として示して、実際の経営活動に共感してもらうファンづくりが大事になってくるのでしょう。

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◇交流タイム


さて講演終了後は交流会です。
今回の共催&会場提供してくださったMycafeの田中社長より参加御礼とあいさつ。


交流会では写真撮影会の様相です。みなさま一緒にカメラに収まって、あちこちのSNSで出口会長の写真がアップされました!


参加者の一人、熊田さん。良い笑顔ですね~!


私もちょうど著書を読んでいるところで持参していましたので、サインをいただきました。

今回の講演会を企画して、思わぬ出会いがありました。
また、いろいろなところで人がつながっているな~と実感しています。
「共通の友人」というつながりが現実につながった瞬間というのはいいですね。「一度お会いしたかったんですよ~」と言われて偶然出会うということ、出口会長のおっしゃった「人・本・旅」の実践でもありますね。思わぬところに出会いはあるものです。
(出口氏も「期待して出かけたものより、むしろ何気なく参加した会に良い出会いがあることが多い」とコメントされていました)

ご参加いただき、会を盛り上げてくださったみなさま。
準備と会場の設営をしてくださったMYCAFEスタッフのみなさま。
そして合同事務所の仲間。

みなさまのおかげで私が楽しい時間を過ごすことができました。
昨日のご縁がまた新たなつながり、チャンスを生み出すことを期待したいと思います。

みなさまありがとうございました!

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