今回は、国語が嫌い!と苦手意識を持っている方へのメッセージ、エールを送りたいと思います。
最近「いつやるの?今でしょ!」が大ブームですね。なかなか受験勉強にエンジンがかからなかったスロースターターの私としては、「今でしょ!」と思えるようなきっかけがなかなかやってきませんでした。
私は中学受験に失敗し、高校、大学受験を経験しています。
そのときの勉強は「受験のため」と感じており、あまり好きになれませんでした。勉強する積極的な理由がなかったのです。宿題しないと叱られるから、成績が悪いと親が嫌な顔をするから、そんなネガティブな理由で勉強を嫌々していました。
中でも国語が大嫌い。中学3年生まで克服できませんでした。どうしても、社会や数学みたいに、すぐに答えが書けないのが嫌だったのです。大して長くはない文章を読むのが苦痛。国語の中でも「漢字」は知っているかどうか、長い文章を読まなくて良いので大好きでしたが。
○きっかけは突然!
中3のとき、週に1回、河合塾に通っていました。そこでは毎回テストが行われ、20人程度のクラスの中で順位がつけられてしまいます。
苦手という通り、国語の成績は実に低空飛行。ある日、1人だけ頭一つ抜けて偏差値が30台になったことがありました。こうなると大嫌い、負のスパイラル。テストを受けることがますます憂鬱になってしまいます。塾に行くのも嫌になる日々。
かといって、「なんとかせねば!」と急に勉強をしたわけでもなく、だらだらと過ごした翌週のことでした。このときの出来事が、後の高校生活を大きく変えてくれたのです。
それは、なんと「まぐれで」偏差値が80まで急上昇したことです。順位は先週とは逆に、ぶっちぎりで1位。これは本当にまぐれ。たまたまです。
人間不思議なもので、「あれっ?自分、国語得意かも?」と、このとき調子に乗ります。褒められて伸びるタイプなのでしょうね。しかもよい成績を取ると、復習する箇所も少なく、すぐに解説を読み終えることができるし、先生の解説もフムフムと、気持ちよく聞けます。
この偶然の成功体験のおかげで国語が好きになり、それ以降現代文に関してはあまり苦労しなくなりました。(高校になってから、古文と漢文は新たな悩みの種でしたが…)
○受験勉強のコツを覚える
ここから、予備校の模試の復習をするクセがつきました。間違えた箇所を次に間違えなければ、成績は伸びるはずですよね。放置すれば、何も変わらない。それまでは、テストを受けっぱなしでしたから、すごい意識改革ができたものです。
国語については、解説を読みながら、本文に黄色の蛍光ペン、赤青のペンで書き込みをするようになりました。最後にサッと一読して終わるのですが、現代文の勉強は漢字や文法を除いて、ほぼこれだけです。このおかげで他の科目の勉強時間を捻出できました。
○自分の価値観で文章を読まない
もう一つ、国語に関して気づいたことがあり、このことについては、否定的な意見も聞かれます。
それは、自分で文章を勝手に解釈せず、素直に読むこと。言ってみれば、解答は本文からペタペタ切り貼りすることです。これで随分テストの点数は上がりました。
「そんな読み方テストでしか使えないだろう!」と思われるかもしれません。そう、テストでのみそういう読み方をしていました。自分自身、書かれていることに納得していなくても、「筆者はこのように主張している」、と割り切るのです(このやり方で通用しないのは小説です)。
○他者の価値観を受け止める効果
最近気づいたのですが、テスト向けに行っていたこの切り貼り作業が、意外なところに役立っていました。それは、「相手の価値観を受け止めること」です。「ああ、この人はこういう考え方をするんだな」と、まず理解することは、日常生活、仕事でも大いに役立っています。自分の頭をニュートラルにしておくことで、多様性をある程度許容できるようになってきたのです。思わぬ副産物でした。
現在、「相談を受ける」仕事がとても多いので、ものは考えようですが、「自分の考えは、ひとまず横に置いておく」経験が活きていると言えます。
「自分の価値観で文章を読まない」ことについては、単に受験のテクニックだけでないと思いますので、国語嫌いの方は「ものは試し」で、一度やってみてはいかがでしょうか?