昨日、「数字と固有名詞」の話題になりました。
私が仕事柄、起業家の事業計画発表や補助金のプレゼンなどを見る機会がとても多いのですが(プレゼン講座も毎年実施しています)、プレゼンに必要な要素として、まず大きいのが次の3つです。
1.ETHOS・・・理念、ミッション、倫理観、情熱など
2.PATHOS・・・同情、憐みを誘う要素
3.LOGOS・・・論理性、一貫性
そして、これらを支えるものとして、「数字」と「固有名詞」「例示」があります。
数字や固有名詞、それに事例を入れないと、プレゼンをしても全然迫力が出ません。
迫力が出ないというのは、単に声を大きくアピールすることではありません。聞き手が「ぼんやり聴いてしまう」「イメージが湧かない」ことが問題なのです。
例えば、
Before:「主婦の交流イベントを実施することにより、笑顔をつくります」
とだけ書いてあったとしても、それは「ぼんやり」となってしまいます。
After:「5年間で主婦を2000人動員した弊社が、今回の子育てママ交流イベント実施により、100人を笑顔にします」
と書けば、随分イベントの効果がイメージできます。過去の事例を紹介し、数字も挿入し、「主婦」を「子育てママ」と表現したことで、聞き手は頭の中でどのようなイベントか、うっすらと想像できるようになります。これに実際のイベントの写真があり、参加者の声
があれば、もっとイメージが湧きます。
私の地元では市民活動補助金の制度があります。こういう場でアピールするときに、きちんと効果を説明しなければ、本来補助対象となるものも、通らなくなってしまいます。
もっと言えば、融資の事業計画書でも同じことが言えます。金融機関に持参しても、ぼんやりしている事業計画書であれば、おそらく担当者は読むことすら苦痛になるでしょう。幸い、数字は書かなければならないフォームになっていますので、そこから激しいツッコミが入ることになると思いますが(その時は「LOGOS」
を求められます)。
私が起業の相談を受けたとき、起業に関する講師を務めるとき、とにかく事例をたくさん出すように心掛けています。そうしないと、聴き手もイメージできません。一般的な話をして「フムフム」と頷いていただいた後に「例えば・・・」と事例を出すと、大きくうなずき、納得
してくれます。それを見ると、やはり事例を出さないと何となく聴いているだけで、本当に納得はしていないのだな、とよくわかります。
何か発表の機会が待ち構えているみなさま、「数字」「固有名詞」「事例」、ぜひ意識してみてください。プレゼンの反応が少し変わるはずです。
Good Luck!!