今日は契約書の仕事ばかりでした。
「売買契約書」を作りたい、という相談をお受けしました。仕入先に仕様書を提示して、その通りに作ってもらい、商品を継続的に供給してもらう、というもの。
これは、製造委託契約ですね。売買契約と内容は似ていますが、デザインその他の権利をこちら側が押さえたいのであれば、製造委託契約の色彩をきちんと出した契約書にしなければなりません。製造物責任、瑕疵担保、模倣や勝手に他社に在庫を転売することを禁止、などなど、「そんなことはさすがにしないだろう」ということまで、きちんと記載することが望まれます。製造のための型を提供するのであれば、その所有権、契約終了後は返還してもらうのかなど、いろいろと決めるべきことがあります。面倒ですが、未決事項を残して後で揉めるよりよほど良いです。
もう一つ、「トラブルにならない契約書を作ってほしい」という話がありました。まずこのようにおっしゃったらお断りすることにしています。合意内容をきちんと記載していなければ、トラブルになる確率は極めて高いでしょう。相手方と話し合いを重ね、決まったことを書くのであれば、まだ良いのですが、全く相手と交渉しておらず、契約内容をこちらから提示する段階で「トラブルにならないように」と言われても、それは無理です。たとえ完全に実態を反映させていても、契約書の内容をきちんと履行しなければ、トラブルは起こります。この「トラブルにならないように」という言葉は、契約書の仕事を受任するかどうかの、一つのフィルターにさせて頂いております。もう一つ「お任せします」と言われるのも困りますね。
契約書のひな型は、往々にしてそのまま使用されがちです。加工するのが面倒、条項を読むのが面倒、ということが原因です。しかし、実態と合っていないと、相手方と合意したことがきちんと書かれていないと、将来の火種になるどころか、契約自体がお流れになるかもしれません。
実際私の会社でも、契約寸前まで話を進めて、いざ先方から送られてきた契約書を見たら「なんだこれは!」と驚き、契約が破談となってしまったことがあります。「話が違う」ということです。それはそれは、ひどい一方的な内容でした。
現在は市販のひな型の他、ネット上にも無料のひな型が溢れています。便利ですし参考になりますが、現実の業務・取引ときちんと照らし合わせないと、その契約書は適切に機能しなくなります。
また、一旦契約を締結しても、年月が流れて実態にそぐわないものになっていることもあります(法改正もありますし、経済情勢の変化もあります)。適宜修正をしなければなりません。
というわけで、契約書でお困りでしたら、どうぞお問い合わせください。
一度社内の契約書をじっくり見直すのも良いかもしれませんね。
☆いくつか参考となるひな型サンプルを掲載しています。「実態に合わせて」お使いください!
