今日はせと・しごと塾でアイデア出しのワーク。

午前中に、シックスハットとブレーンライティングのフレームワークを使って、アイデア出しを行いました。


参加者は8名。テーマは、次の2つです。


①「一度写真撮影カメラのサービスを提供したお客様に、もう一度顧客として戻ってきてもらうにはどうすればよいか、考える」(シックスハット、2期生林かなこさんの事業に関連)

②「親子のコミュニケーションおひなさまを深める講座を考える」(ブレーンライティング、5期生廣瀬満子さんの事業に関連)


今回、塾生のお二人が「自分の事業をぜひアイデア出しの題材としてほしい」ということで、この機会を設けました。アイデア出しの時間は、それぞれ35分、12分です。短時間でどれだけアイデアが出るか、ここがポイントです。頭をフル回転させていただきました。


1.アイデア出しの方法を解説

まず最初に、ブレーンストーミング、ブレーンライティング、シックスハット、3つのフレームワークの進め方を解説しました。


☆なぜアイデアが出てこないか?ガーン

起業に限らず、アイデアを出さなければならない場面というのは数多くやってきます。しかし、どうしても「アイデアが出ない」と困った経験をお持ちの方も多いはずです。そこで、なぜアイデアが出てこないのか、主に次の4つの理由が考えられます。


(理由1)個人個人で思考のクセがある
考え方にはクセがあります。批判的に物事を考える人もいれば、楽観的な人もいます。アイデア出しを得意とする人がいれば、まとめる能力に長けた人もいます。チームで仕事を進める際は、それぞれの能力をうまく引き出すことにより、最高の成果を出すことができます。

同じ人でも、どのような状況に置かれているかによって変化します。気分が落ち込んでいるときは、後ろ向きの考え方になることでしょう。そうではなく、絶好調のときは、イケイケドンドンで、手綱を引き締めることが難しいかもしれません。

一人で事業を行う場合でも、訓練することにより発想を豊かにできます。思考の切り替えを上手にできるようになれば、時間も効率的に利用することができるでしょう。

(理由2)情報収集が足りない(質・量、マクロ・ミクロ)
発想を生むための情報収集、勉強、交流が多ければ多いほど、可能性は広がります。一生懸命組み立てた事業計画も、実は他者が既に手がけているかもしれません。
書籍、統計、新聞、TV、知人からの情報、様々なルートで情報を収集しておきましょう。情報収集により、昨日は見えなかったものが見えてきます。


(理由3)一人で考える限界
「賢人は他者からも学ぶ」(論語)。全く違う分野からも学びがあります。今自分が持っているものだけ(アウトプットだけ)でアイデアを出そうとしても限界があります。その限界を破るためには、他者の力をうまく引き出す、借りることも必要です。
周囲を巻き込む能力、引き寄せ力も必要です。夢や目標が大きな求心力を生むでしょう。

アイデア出しのフレームワークを知ることにより、アイデア発想の方法を知ることが独創性を磨くことの近道です。次の方法をはじめ、多くのフレームワークがあります。

①ブレーンストーミング ②ブレーンライティング ③KJ法 ④パーパスリスト ⑤シックスハット ⑥サーチアンドリアプライ ⑦マインドマップ ⑧MECE ⑨ロジックツリー


2.ブレーンストーミングのルール確認

ブレーンストーミングにひひによるアイデア出しは参加者全員が経験済み。その中で、4つのルール「質より量」「批判禁止」「自由奔放」「結合改善」を再確認しました。


3.ブレーンライティング

ブレーンストーミングの変形版です。複数人でのアイデア出しによく使われます。メンバーそれぞれが意見を記入し、時間が来たらそれを隣に回します。隣からシートをもらったら、前の人の意見を踏まえて、それを改良するような意見を追加していきます。自分の意見に固執することなくアイデアを出す訓練をすることができます。


6・3・5法がよく使われます(参加者6人、1回で3つのアイデア、1回5分)。今回は4・3・3法で実施しました。


4.シックスハット

ワークに入る前に、まずはシックスハット「6つの帽子」の説明です。
(1)ホワイトハット(白い帽子)・・・情報メモ
(事実や数値等のハード情報、人の意見や感情などのソフト情報)
 ・どんな情報があるのか?
 ・どんな情報が必要か?
 ・どんな情報が不足しているのか?
 ・どんな質問をしなければならないか?
 ・必要な情報を得るには、何をしなければならないか?

(2)イエローハット(黄色い帽子)・・・ポジティブな視点音譜
 ・プラス思考、楽観主義
 ・アイデアの利点、アイデアから得られる利益は何か?
 ・積極的な探究心
 ・アイデアの強化
 ・建設的な提案

(3)ブラックハット(黒い帽子)・・・問題点、リスク叫び
 ・注意深く、慎重に、批判的になる
 ・問題点、克服困難な点を指摘する
 ・規制の範囲内にとどまる
 ・価値観や道徳に従う
 ・経験に当てはまらないのはどういった点か?
(注)ブラック以外の帽子の時間は、批判的な態度は慎むこと。出たアイデアの問題を考える。

(4)グリーンハット(緑の帽子)・・・革新的な視点、ムーブメントひらめき電球
 ・新しいアイデア、新しい代替案・選択肢
 ・変化を求める
 ・問題点への新しいアプローチ
 ・どのようにしてリスクを乗り越えられるか
 ・刺激的、極端な操作(Provocative Operation)

(5)レッドハット(赤い帽子)・・・感情ニコニコプンプン
 ・中立かつ客観的な情報(白)とは正反対
 ・直観、予感、印象
 ・正当化の必要なし、理由も説明不要、論理的でなくてもよい
 ・個人個人があるがままの感情を表現する
 ・最後の決定はこれによるものが多い(情緒)
(注)アイデアの変更はしない

(6)ブルーハット(青い帽子)・・・まとめ的な視点フラッグ
 ・目的の再確認
 ・他の帽子をコントロール
 ・マップメイキング(まず地図を描き、ルートは後で)
 ・まとめるための正しい質問をする
 ・問題点を明確にする
 ・要約と結論、結果の報告

5.シックスハットの留意点
この解説が重要なので、冒頭に時間を割いて、ルールを説明しました。

(1)積極的に考え、意見を言ってください ロケット
(2)全員ペンを持ち、ホワイトボードに記入 アート

(3)黙々と書かず、他の人に伝えながら書く カラオケ
(4)他者の意見を聞きながら考える。耳
(5)ホワイトボード全体を定期的に眺めるテレビ
(6)ワーク中は、座らない走る人

このルールにより、参加者がサボることができない仕組みとなっております。貴重な時間を使って集まってくれたみなさまの時間を有効に活用することを意識していただきます。ダラダラと過ごす会議とは違い、新鮮な雰囲気を味わうことができるでしょう。



<以上で解説は終了。いよいよワーク開始です!>



6.本日のワーク[1]シックスハット

それでは、スタートです!

今日は4人×2チームでワークを行いました。全員女性!
Challenge Diary 小坂英雄ブログ

ホワイトボードを挟んで左右に分かれていただききます。

全員ペンを持ち、立っている走る人のはルール通り。

Challenge Diary 小坂英雄ブログ

少し上空UFOから撮影。反対側の会話も気になりますね。

時々チラッと様子を見に行き、新しい発想をいただくことも。

Challenge Diary 小坂英雄ブログ

後半の「赤い帽子」の時間は、感情で意見を言っていい時間。「私はこれ好きニコニコ/嫌い!シラー」などと、すっきりする時間であり、事業をやるかどうかの判断は、結局この感情面で決定されることも多くあるでしょう。

Challenge Diary 小坂英雄ブログ
今回のワークの時間時計は35分。出来上がったホワイトボードをご覧ください。

Challenge Diary 小坂英雄ブログ

もう一方のチームはこれ。

Challenge Diary 小坂英雄ブログ

チームAは写真の赤枠がポイントでした。何となく書いたこの「サービス内容」という文字により、その周辺にアイデアをまとめて書くようにメンバーが意識し、その結果、早い時間でアイデアが多く出てきました。視覚に訴えることはやはり大事です。


*特に3番目の黒(リスク、問題点、課題)の時間までにどれだけのアイデアが出ているか、ここが重要になります。黒の次の緑で、課題を乗り切る方法も考えるので、アイデアに対する問題点が多数出ていないと、ペンが止まってしまう傾向にあります。


Challenge Diary 小坂英雄ブログ
チームBは、二重線で囲んだ部分(「かなちゃんを選んでくれた理由」)がもっと膨らんでいくと、たくさん意見が出たかもしれません。本人がいたので、もっと突っ込んで聞いて良かったのかもしれません。そして、本人も遠慮しなかった方が良かったでしょうね(自分をほめることは難しいと思いますが)。


Challenge Diary 小坂英雄ブログ

発表の様子です。4期生上村さんはシックスハット2回目。とても冷静に、上手に場をコントロールしているのが印象的でした。

Challenge Diary 小坂英雄ブログ

こちらは2期生水野さん。同じく2回目。題材となった林さんご本人がチームにいたということで、メンバーのみなさまはちょっと遠慮したかもしれませんね。

Challenge Diary 小坂英雄ブログ

まとめの発表も3分で、時間を区切ります。



7.本日のワーク[2]ブレーンライティング

Challenge Diary 小坂英雄ブログ

次に、ブレーンライティングを実施しました。

シックスハットとは対極にあるかのごとく、黙々とアイデア出しを行います。

(時々「プッ」と笑い声も起こりますけどね)

Challenge Diary 小坂英雄ブログ

最初に上段の3つの枠にアイデアを書きます。

Challenge Diary 小坂英雄ブログ

3分経過すると、自分の用紙を右回りに渡します。

Challenge Diary 小坂英雄ブログ

そして、2段目に、1段目の内容に関連したアイデアを追加していくのです。

アイデアの出発点が自分ではないのが特徴で、思考回路の切り替えのよい訓練になります。


Challenge Diary 小坂英雄ブログ

最後に発表タイム。シートはみなさまにコピーを取り還元。きっちり全員が3つの枠をすべて埋めてくれました。


ブレーンライティングは3分×4人の12分間です。極めて短時間で知恵を絞るという練習をみなさまに体験していただきました。


これで午前中のワークは終了。

実は今日、午後からも一回ワークを実施しました。

その様子もご紹介します。本日2回目のブレーンライティングです。



8.本日のワーク[3]ブレーンライティング(その2)
15時からの起業家養成OUTPUT講座でもブレーンライティングを実施しました。

テーマは、「商店街の10坪ほどの空き店舗をどのように活用するか」。


Challenge Diary 小坂英雄ブログ

今回は4人で実施。


Challenge Diary 小坂英雄ブログ

ブレーンライティング、シートはこんな感じになります。

時間があれば、終了後付箋を整理して、別の大きな用紙にまとめるとよいでしょう(KJ法みたいになりますね)。

Challenge Diary 小坂英雄ブログ

帰宅準備をしている山田さんを無理やりつかまえて参加してもらいました(ありがとうございます)。

Challenge Diary 小坂英雄ブログ
今回も3分×4、計12分で実施。私も参加してみました。

やはりよい頭の体操になります。



このワーク、来期は外部の人も参加できるような仕組みを考えています。

そして、今日はシックスハットを改良する一つのアイデアを思いつきました。実際にワークが少し停滞した原因を考え、その対策を施してみたのですが、やはり問題は解決せず。違う解決方法を必要としていたのですが、一つ有効と思われる方法を発見しました。


それこそ、シックスハットで言う「黒」→「緑」の思考です。「前半でアイデアがたくさん出ていないとペンが止まってしまう時間が長くなる」という課題を解決するアイデアで、間違いなくワークの時間がよく白熱する一助となるでしょう。日本人は「斬新なアイデアを出すのは苦手だが、改善が得意」であるという特性を活用した方法で、次回試してみたいと思います。内容については、そのときのお楽しみということで。



長文お付き合いいただき、ありがとうございました!