【「舞いあがれ!」最終週を振り返って この物語を支えた三つの柱】
最終回は満点だったと思いますが、最終週はかなり急ぎ足だったのが惜しまれます。複数の脚本による混成ストーリーで、最終局面が割を食った印象があります。
それでも、これまでのドラマの各ステージの出演者がそれぞれ舞との再会を果たし、舞の活躍を見守り、その思いを視聴者に伝えたことは意味が大きいと思います。
さてこの物語、目指すものは何だったのだろうと考えるに、一つ目の柱は、祥子がチビ舞に授けた、「向かい風に負けずに」、これが大きいでしょうね。舞はいよいよ旅客機のパイロットに、という段で実家の工場の危機に直面し、さらに浩太の突然の死に打ちひしがれた。こんなにきつい向かい風はない、そうした状況にも敢然と立ち向かい、パイロットの道をいったん諦めて工場の再建に奔走し、めぐみを助け必死に奔走しました。これがのちに舞に大きな運命の転機をもたらした、と言えます。
二つ目の柱は、舞が常に「共同のチカラ」を信じる存在だったこと。舞がパイロットの職について、柏木?だったと思いますが語った台詞に、「機長は旅客機のスタッフみんなのチカラに支えられてはじめて、仕事ができる」といった趣旨のものがあったと思います。この考え方は工場の再建・運営にあたっても、そして工場同士の連携のエピでも発揮されていたと思います。真面目なヒロインの真面目な仕事ぶりを淡々と描く、この面で舞というキャラにはぶれがなかった、そういった印象です。
そして三つめは、「ちょっと内気な人々の、内に秘めたるチカラ」だと思います。舞・久留美・貴司、それぞれ幼なじみ三人組は、同級生たちとキャーキャー馴れ合って騒ぐより、静かなウサギ飼育で癒されてるような、内気な子たちの一団でした。舞は病弱で休み気味、久留美は意気消沈した父親と共に暮らし、半ばヤングケアラー一歩手前の状態、貴司は三人の中では強い面を持ってると思いきや、職に就いたら職場のブラック体質に折れてしまい、自分探しに家出をしてしまう弱さを持ってた。こうした三人は、おそらく原作の桑原さんの持つキャラの色んな断面をそれぞれ分身として手分けして分担した、と感じています。内気で、その優しさをどう外に出していいか思い悩むキャラですが、それでも三人が力を合わせながらじりじり成長し、それぞれの道で大成していく姿に、何だか、桑原さん自身の、「内気な人もきっと幸せになれる、幸せにならなきゃいけない」、といった確信みたいなものを感じるドラマでした。ある意味悠人も、佳晴の一面だって、今思えば内に内にこもりがちなキャラであったことを考えれば、桑原さんの手に創造された世界は、「内気さんの救済物語」だったのかもしれません。自身歌詠みの桑原さんのこうした世界観に、俵万智さんが強い反応を示したこともまた、たいへん興味深いものがあります。
脚本家3人分の思いが余って、最終週はずいぶん急ぎ足になりましたが、「普通の朝ドラ」としては十分すぎる「及第」、そういった印象を持った作品でした。
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この子、ご覧の通りのかわいい美人ネコだけど、さすがにネットで色々言われてる「ヒロスエそっくり」、ってのは広末さんにチョイ失礼、かも。でも本人は笑ってるだろうけど。