【「おちょやん」第20週 第100回 何でうちやあれへんの? 】

 

千代の「家族に恵まれなかった」という運命は本当に徹底している、と思います。母とは幼くして死別、テルヲはあの通り彼女の人生のほぼすべての「不幸」そのもの、そして弟までヤクザの道に踏み込んでしまっていた…

ようやく、人生を歩む伴侶とともにこれからというときに今週のエピ、ここで千代は「自分には家庭的幸せを追求するより、演劇と共に歩むことがとことん向いている」という達観に至るのでしょうね。 

だから、記念公演の演目が終わるまでは、一平とのリアルでのグチャグチャを完全に外して、舞台の上の劇に一意専心する強さを発揮するつもりだったのでしょう。事実、今日前半の演劇シーンでは、台詞と自分の今の立ち位置のところでちょっと言葉を止めることはあっても、『演じきって』いました。また、灯子には精一杯の配慮をする強さも示せていましたが…

本作、これまで常に、「舞台の上では、演者の生き方の芯に関わる強いカタルシスが出る」という一貫したコンセプトで作られていますので、千秋楽の舞台上のシーンで、千代が一平への思いや自分の人生の歩み方に、劇の台詞にどんな本音を練り込んで口にするか、ここは注目どころだと思っていました。しかし…いやはや、さすがの千代も、一平との仲だけは壊れてとことん折れていたんですね。ついに、自分で台詞を止めて固まってしまった…

 

千代が、舞台の上で劇をぶっ壊したのはこのシーンが本作空前絶後、ということになるでしょう。それほど、一平との別れは辛かった、…そう思い当たって、こっちも涙が出てきました。

 

千代が突然姿を消して、来週からは全く違う新天地で、新たな章が開くのですね。一平のドタヌキアホンダラ、そして鶴亀新喜劇の皆さん、お疲れさまでした。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

池江璃花子選手の復帰に便乗し「五輪開催」を声高に叫ぶ人たちへの強烈な違和感(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

池江さんの、本当の復活を大切にする気があるのなら、あんな祭り上げ方は完全に間違っていると思います。
いずれ東京五輪は崩壊します。きちんとした段取りを踏んだ「中止」を政府と主催五団体は、一日も早い協議に入るべきです。

例えて言えば「不時着」で済むところを「墜落」にして乗客乗員全員を死なせたら、航空会社の責任は途方もなく重大になります。今はそういう状況だと思います。