意外と知らない!「栄養機能食品」について知ろう!
「栄養機能食品と言えば、サプリメントでしょ!」そう勘違いしている人は、かなりの人数でいるのではないでしょうか?間違いではありませんが、サプリメントが全てでもないのです。実は、栄養機能食品とは、特定の栄養分を補うために利用される食品を指し、サプリメントだけに限らないからです。今回は、栄養機能食品とはどんな食品を指すのか、どんな効果や効能があるのかなどをご紹介していきたいと思います。
栄養機能食品についてお教えします!
栄養機能食品とは、1日で不足しがちなミネラル、ビタミンなどの特定の栄養素を補うために作られた食品の総称になります。食べ物とは違い、国への申請や許可が必要なく、科学的根拠が確認されている栄養成分が入っていれば、栄養機能食品として表示することができます。生命・健康を維持する目的で、栄養素を補給するのに作られた食品です。
栄養機能食品と言うと、サプリメントをイメージする人が多いかもしれませんが、一般消費者向けの加工食品、生鮮食品も含まれています。要するに、野菜や魚などの生鮮食品でも、1日当たりの栄養摂取量目安の中に含まれる量が基準値に達していれば、栄養機能食品として表示することが可能になるというわけです。ただし、栄養機能食品として認定されれば、必要な表示と指定された包装容器に入れて販売しなくてはならない制約がついてきます。
栄養機能食品表示を知る!
栄養機能食品には、それなりの表示の仕方があり、必ず細かく決められた項目が明記されています。実際には、どんな表示がされているのでしょうか?
栄養成分の名前と機能
この栄養機能食品には、どのような栄養成分が含まれているのかが記載されています。また、どのような機能がある栄養素であるかが記載されますが、栄養成分ごとにどこまで記載していいかという範囲が限定されています。
栄養成分表
もちろん、一般食品に義務付けられている栄養成分表も記載されています。熱量、タンパク質、脂質、炭水化物、食塩相当量などがそれに当たります。ダイエットなどでカロリー計算している人は、よく見る表示だと思います。栄養機能食品の場合でも、こちらもよく確認して、どんな栄養成分が含まれているかを見ておきましょう。
食品の保存方法
どんな食品でも、商品パッケージには必ず何らかの賞味期限や消費期限が記載されています。さらに、食品の保存方法なども一緒に記載されています。
摂取する上での注意事項
栄養機能食品を摂取する上での注意事項が詳細に書かれています。1日の摂取目安や容量、正しく機能させるための断り書きなどが記載されています。栄養機能食品は、栄養があるからと言って摂り過ぎても全く効果はありません。よく書いてあるのが、「栄養機能食品は、多量摂取により、疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。」という文言です。このように、きちんと注意事項をよく読み守って、正しく利用することが大切になります。これは、食品表示基準第7条及び第21条に決められています。
栄養素表示基準値に占める割合
1日当たりの摂取目安量に含まれている栄養成分の量が、当該成分の1日に必要な量に対して、どれぐらいの割合を占めているかを載せています。対象年齢が子ども、成人、高齢者など記載されています。そして、その年齢であれば、どのぐらいの栄養素の量が必要で、この栄養機能食品を摂ることによって、どれだけ栄養成分を補うことができるかが書かれています。
機能を表示することができる栄養成分とは?
栄養機能食品は、全ての栄養素において、機能を全部表示できるわけではありません。実は、機能の表示をすることができる栄養成分が予め決められています。その内訳は、脂肪酸が1種類、ミネラルが6種類、ビタミンが13種類。以下のような栄養素に限られますので、1つ1つどのような栄養素があるのか確認していきましょう!
脂肪酸(1種類)
- n-3系脂肪酸
ミネラル(6種類)
- 亜鉛
- カリウム
- カルシウム
- 鉄
- 銅
- マグネシウム
ビタミン(13種類)
- ナイアシン
- パンテトン酸
- ビオチン
- ビタミンA
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ビタミンB6
- ビタミンB12
- ビタミンC
- ビタミンD
- ビタミンE
- ビタミンK
- 葉酸
栄養成分の機能とは?
栄養機能食品の栄養成分には、それぞれ機能が書かれています。それでは、どのような機能があるのでしょうか?今回は、私たちがよく知る代表的な栄養素を取り上げてみました。
ビタミンA
- ビタミンAは皮膚や粘膜の健康維持と、夜間の視力維持に役立つ栄養素です。
- レバー、ニンジン、うなぎ、ほうれん草など
ビタミンB1, B6
- ビタミンB1とB6は、炭水化物からエネルギーを生成し、ビタミンAと同様に、皮膚や粘膜の健康維持をしてくれる栄養素です。
- B1:豚肉、ロースなどの赤身肉、大豆、ナッツなど
- B6:マグロ、バナナ、カツオなど
ビタミンB12
- ビタミンB12は、赤血球の形成をしてくれる栄養素です。
- しじみやあさりなどの貝類、青魚、牛・豚・鶏肉のレバー
ビタミンD
- 腸管でカルシウムの吸収を促進し、骨の形成に役立ちます。
- 鮭、ブリ、サンマ、アジなどの魚類
ビタミンC
- ビタミンCは、炭水化物からエネルギーを生成します。また、抗酸化作用があり、老化防止にも役立ちます。
- アセロラ、パプリカ、ブロッコリーなど
カリウム
- カリウムは、正常な血圧維持に必要な栄養素です。
- メロン、アボカド、さつまいもなど
栄養機能食品だけ摂っていても、健康を維持することはできません。主食、主菜、副菜をベースとした栄養バランスの良い食事を主軸に置くことが大前提になります。栄養機能食品は、あくまでも足りない栄養素の補助をしてくれる食品ですので、食事と組み合わせて上手に栄養素を補っていきましょう。