車の通勤を健康のために自転車でしている、と聞くと健康に気を使っているように思えますよね。
しかし、大前提の自転車を使うことが身体に悪いことだったらどう思いますか?
実は自転車は体に悪いというのは事実です。
競輪選手のようなとても鍛えた状態で自転車に乗るアスリートでも腰痛症になる人は多いのです。
認知度の高い腰のゴム素材コルセットは、腰痛に悩んだ競輪選手が自転車のゴムチューブを腰にぐるぐる巻にして対応したところから生まれたそうです。
なぜ自転車が体に悪いのか骨格から考えてみましょう。
骨盤の腸骨により挟み込まれた仙骨は、体重の約半分を載せています。
加えて地面に立っている、または歩いている時は地面から足への力は骨盤の腸骨に吸収されます。
なぜこんな構造になっているかというと、2足で安定してして動き続けるために必要なのです。
上半身の重さを支えるために、股関節に角度をつけて足から受ける地面の反力を挟み込む形で骨盤に伝えています。
上からの重さと、下からの反発力を骨盤機構で受けながら骨盤の関節を安定させて働かせています。
座る時間が長いと調子が悪くなるのは上からの力のみ掛かり続け骨盤が傾くからです。
ここにサドルからの衝撃により恥骨や仙骨へ衝撃を加え、地面からの足に伝わる力は加わらない状態を発生させます。
ペダルを踏む力は掛かるのですが掛からない瞬間もあるため骨盤は不安定になります。
骨盤の不安定さにより腰が不安定になります。
このように自転車は身体にとって不自然な状態で、腰痛症を引き起こす原因でもあります。
腰痛症以外にも、歩くスピードは遅くなり、疲れやすくなります。
脊柱菅狭窄症になる1つの原因にも挙げられます。
問題なのは、自転車に乗っている間は問題を起こすことは少ないです。
自転車から降りてしばらくしてから症状を起こすことが多いのです。
そのため自転車が原因と思わずに使い続けている人が多いです。
全ての人が自転車によるわけではありません。
普段から自然な二足歩行をして骨盤を鍛えているなら大丈夫です。
どんな人が気をつけるべきかと言うと、以下のような人が挙げられます。
・普段からあまり歩いていない人、50m先の目的地にも自転車を使う人。
・なんらかの腰痛症を持っていて骨盤の状態が悪い人。
・初潮期、妊娠から産後期、閉経期などのホルモンバランスにより骨盤にダメージを受けやすい人。
そんな骨盤の挟み込み構造を悪くしている方には、
・歩いて骨盤の安定度を高める
・当院では処方している特別なスクワット運動により挟み込み構造を強化する
・アイシングによる炎症の除去
これらを行うと受けてしまったダメージから回復させられます。
ただし、症状によっては向かない方もいます。
より正確な対処を望む方は、早い段階で相談していただけたらと思います。
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