面白いかどうかは、人によって違うだろうから一概には言えませんが・・・
私にはとても面白かった話。
ダンナがテニスの試合に行ってきました。チーム対抗戦なので、プレッシャーはそれぞれにあります。
テニスのレベルも高かったそうです。よく動けるし、フォームも綺麗でしっかり打ってくる人達が殆どだったそうです。
ダンナはダブルスで出て、チームで唯一勝ち星をあげたそうです。
テニスコートを見下ろす休憩室に行くと、チームの一人が、シングルスの試合を見ていたそうです。
「あれは・・・きつい。あんなテニスにもし負けたら、ダメージが計り知れない・・・・」
と、ボソッと言ったそうです。
ダンナは、『んな、大袈裟な』と思ったそうです。で、試合の様子を見たら、
ダンナのチームからは、強いプレーヤーが対戦していました。彼は、高校の先生で若く、フォームも綺麗で
よく動き、速い強い球を打ってくるプレーヤーだそうです。
で、相手の選手は・・・・・・・
走らない。テテテと歩いて移動する。
でも、届く。そして、小首を傾げた変なフォームで、パコッと打ち返してくる。ずーっと小首を傾げたままテニスをしている。そして、パコッと打つ。
そんなテニス(絶対走らないテニス)で、なんと前に出てきてチャンスでボレーを打つ。決める。ものすごい変なフォームで。
そして、絶対にバカバカしいミスはしない。
ダンナはテニス歴が長いし、色んなプレーヤーを見てきたから、『変』って言っても大した事ナイだろと、たかをくくっていたら、
「とにかくものすーーごく変!なテニスで衝撃を受けちゃって、その試合を冷静に見ることができなかった・・・」
そうです。なんと、第2セットはその変なテニスの人が、6-0でとっちゃったそうです。
負けた選手(ダンナのチーム)は、見るも痛々しく、もう、泣きそうな様子でそそくさと帰って行ったそうです。
声を掛けるのも痛々しく、ダンナはもちろん、普段は陽気なアメリカ人のチームメイトも何も言えなかったそうです。
『痛い・・・・あれは、痛い・・・・』
で、家でダンナは言いました。
「『絶望は愚者の結論』 とはよく言ったもんだ。あれだけ変なテニスでうちのチームのあの上手い選手(ダンナ
はその選手に到底自分が勝てるとは思えないそうです)に6-0で勝つだなんて、
どれだけ相手にフォーカスしてテニスをしているんだろう。どうしても自分達はテニスはフォームが大事とか、
フットワークが重要とか、そんなことばかりこだわりがちだけど、あのテニスはそんな自分の壁みたいなものを
物凄いショックと共にぶち壊してくれたような気がする。案外、自分は自分でこしらえた壁の前で「もうだめだ」と、
絶望感を感じたりしてるんじゃないかな。・・・『絶望は愚者の結論』だ。」