古代文明を訪ねて⑦ 改めてギリシャ | 面怒宇九斎のブログ

古代文明を訪ねて⑦ 改めてギリシャ

日本の約1/3の国土だが、多くの無人島も含む3000の島々もその面積に入り人口が約11百万人にしか過ぎない。


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西にイオニア海、東にエーゲ海、南に地中海に囲まれた海洋国家で、第一の産業は海運業(ジャックリーヌ・ケネディーの再婚相手のオナシス氏はギリシャの海運王だと思い出した)。
第二の産業は観光業…語学が重要で英語は100%だとか…、大学は授業料が免除らしく大学進学率は70%と高い。卒業後1年間徴兵制度があり、それが終了してからの就職活動だが、若者の失業率は60%と高く基幹産業の弱さがあり官庁関係の公務員が頼りだが、財政状態が厳しくEUからの緊縮財政が金融支援の交換条件となる現状に不満は鬱積している。
続く第三の産業は地中海性気候を活かしたオリーブを中心とした農業…夏は特に暑く、農業従事者に限らずシェスタ(昼寝)の風習をドイツなどから批判されるが、暑さ避けと怠け者を同義語に扱われる事に不満を持つ。


【神話の国】
ギリシャと言えばパルテノン神殿を含むアクロポリスの丘、その横にはゼウス神殿がある。

古代オリンピックもゼウスを祀るために開催されたのが起源であり、ギリシャを語るに神話とは切り離して語る事は出来ないだろう。

【神々の系統図】と言うのがパンフレットに載っていた。

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世界の始まりは万物が入り混じったカオスの世界であった。そこからガイア(大海)など4柱の神々が生まれた。ガイアはウラノス(天空)や山々、大海を作りウラノスと結ばれ12柱のティタン神族や1ツ目巨人や百本腕のヘカトンケイルなど奇怪なを生み出す。
ウラノスは奇怪な姿のきらい幽閉してしまうが、これに怒ったガイアは末子クロノスと共にウラノスを倒しクロノスが世界の支配権を掌中に収める。
クロノスは、天空ウラノスと大地ガイアの間に産れたティタンの末っ子であり、父ウラノスを裏切って王位に付いた彼は、子孫から反逆を受けるとの予言を恐れ妻ノアとの子供を次々飲み込んでしまう。だがノアが隠れて生んだ末子ゼウスは父が飲み込んだ兄弟姉妹を次々助け、クロノスをはじめとするティタン神族破って勝利し世界の支配権を得た。


フランシスコ・ゴヤ「我が子を食らうサトゥルヌス(クロノス)」 先のスペイン旅行でマドリッドのプラド美術館でこの絵を見たときに不気味さ以外の何者でも無かったが、改めてギリシャ神話と付き合わせてこの絵を見るとその不気味さは更に増す想いだ。

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ゼウスを中心とした神々はオリンポスの山に住んだことからオリンポス神族と呼ばれ、人間に神託を授けた。

ゼウスはオリンポスの長であり、神々の王である。ギリシャ神話の物語には欠かせない存在で、雷雨(天候)を操る全能の神です。家系的にはクロノスとレイアーの子であり、ポセイドンなどの兄弟です。好色家としても知られる彼は、様々な女性(神・人問わず)との恋慕話が多く、そのたびに彼の正妻であるヘラの嫉妬を受けることになる。好色家であるがゆえに彼の子は実に多く、アポロンやアルテミス、アテナ、ヘルメスなども彼の子であり、人間では、ヘラクレスなどもそうである。彼が全能の神となった所以は、当時のギリシャでは、雨の有無が死活につながるためで、雨を司る者こそ当時のギリシャ人には、天空の支配者で、恐怖と尊敬の存在であったのだろう。


【神話以降、都市国家から現在までを超スピードで言えば】
紀元前776年に神々の王ゼウスに捧げる古代オリンピックが開催され、この頃独立都市国家(ポリス)を形成するアテナイ、コリントス、スパルタ…などから選手が集まり競った。

この頃には盲目の詩人ホメロスがトロイア戦争の「イリアウス」、トロイア戦争後の英雄伝「オデュッセイア」を…、ソフォクレスが演劇のギリシャ悲劇「オイディプス王」「アンティゴネー」、「エレクトラ」などを次々と発表、これを演じる劇場なども建設された。

紀元前440以降、ソクラテス、その弟子プラトン、またその弟子のアリストテレスの哲学者を次々輩出し文学、演劇、哲学などで世界をリードしていった。

然し、都市国家の規模以上の勢力には勝てず、その後東ローマ帝国やオスマン帝国などの支配を受け1829年になって独立が承認されるも、第二次世界大戦ではドイツ、イタリア、ブルガリアに分割統治され1946年ギリシャ内戦を経て1949年に共産勢力を追い出しギリシャ共和国になる

1981年にECに加盟、ユーロ導入を2001年を図るも2010年統計操作で隠していた財政破綻が表面化、現在のギリシャ危機は根深く残る。




少し乱雑すぎるが、そんな事などを「頭のトレーニング」として整理し、明日から神話の世界の舞台の旅行記を書いてみる。