コナツが父の前に現れたのは今から4年前の暑い夏でした。
その年の2月にナギの里親になってまだ半年、ようやくナギの散歩が楽になって朝会うお友達も増えていました。
その日も朝の散歩に出かけたんでありました、多摩川の河川敷は草刈の前で父の胸の高さまで伸びていて細い遊歩道が草の壁の中を縫うように通っていました。
いつもは通らない川よりの遊歩道にあの日ナギは入っていきました、いつもは広いサイクリングコースを散歩しています。
すると前に見慣れない犬がいます、飼い主さんも見当たらずどんな子だかわからないので困ったなーって思っているとナギはどんどん近づいて行くしまったくKYなやつですから、近づくと大きくて汚くてそれはひどい痩せかたでした、安物のリードを引きずっていました、どう見ても日本犬で秋田のミックスだと父は思いました。
いきなりリードをつかむ訳にも行かずまずはナギのお友達の飼い主さんに聞いてみました。
「あの犬どうしたんですか」
「もう一週間ぐらいうろうろしている、捨てられたみたいだね、あの犬は危ないから近づかないほうが良いよ」
「もう近づいちゃったんですけど、へいきみたいですね、あのままだと死にますよ水もないし」
「大田区の公園課かなんとかするからあの犬はやめたほうがいい」
忠告を無視して父はその汚くドロドロになったリードをつかんだんでした。
草の中の遊歩道でその犬は伏せていましたので、もしナギがいつもは通らない遊歩道に入らなければ会うことも無かったでしょうね。
持っていたジャーキーを食べさせ帰路に着きました、なんとか食べてくれたのでちゃんと歩いてくれさえすれば帰宅できると思いましたが、目はうつろで何の抵抗も無くトボトボと着いてきました。
帰宅してそれからが一波乱有りました。
母が「何よこれ、こんな大こいのダメダメ、怖い、私子供のころに大きい犬にお尻かまれたから怖くて触れない」
父 「もう連れてきちゃったい、あのままだと死んでしまう」。
母 「仕方が無いからしばらくは置いておくけどもしナギになんかあったらどうするの」
父 「そんなに悪い子には見えないけど」
そんなことがあってしばらくは父の工場が居場所になりました。
翌日、母があんまり汚いからシャンプーしたって。
「えー怖いんじゃないの・・・?」
「あんな汚いの置いて置けない」
コナツは我が家の一員になった日でした。
早いものであれから4年立てます、先生は6~8歳って言ってましたので6歳半にして
今では10歳すぎです。
あの時の体重20キロ、今では35キロの巨漢です、病気もしましたが何とか克服して今もとてもげんきです。
変わらないことは、お前ほんとに秋田犬かって思うくらいおとなしいいぬです、誰がどこを触っても怒らないし、犬に吠え掛かってこられてもびくもしないです。
ナギとの関係もとても良くて今ではナギが居ないとコナツは散歩に行きません歩かないです、ナギが居ないよって。
父は大型犬二匹の飼い主になったわけです、一匹はバセットハウンド一匹は秋田犬
どうしてこんな取り合わせになったのか今でも不思議です。
これも何かの縁でしょうね。
そうとしか思えません。