25年前の三谷幸喜のことを書く前に
そこまでの三谷ドラマ史について触れておく。
三谷は、1993年に「振り返れば奴がいる」で
連ドラレビューして以来
年1本くらいのペースで連ドラを書いている。
振り返れば奴がいる(1993年)
警部補・古畑任三郎(1994年)
王様のレストラン(1995年)
古畑任三郎 第2シリーズ(1996年)
竜馬におまかせ!(1996年)
総理と呼ばないで(1997年)
今夜、宇宙の片隅で(1998年)
古畑任三郎 第3シリーズ(1999年)
合い言葉は勇気(2000年)
最初の3本くらいは割と上手くいってしまった。
しかし、大ヒットは古畑くらいで
三谷は、古畑以外はヒットしないと言われ出した。
三谷自身が面白いと思って書いたものが
全く視聴率を取れない。
特に1998年の「今夜、宇宙の片隅で」は
三谷の自信作で、ベストの脚本が書けたと自負するが
視聴率的にはイマイチだった。
そして、次は自分は見たいドラマを
理想のキャスティングで作りたい。
それがダメだったらもう連ドラは書かないと
決心して書いたのが「合い言葉は勇気」だった。
主役は役所広司。
香取慎吾、鈴木京香、田中邦衛、寺尾聰、
國村隼、津川雅彦、山崎一、山寺宏一…と
今では考えられないくらい豪華なメンバーが揃った。
作品としてもやりたかったモノが作れた。
しかし、ゴミ処理問題を
ニセ弁護士が裁判で戦うという内容は地味で
平均で11.2%と散々な結果だった。
今だったら日曜劇場で受けそうなテーマだけど…。
そんなワケで、すっかり連ドラにやる気をなくしてしまい
25年もの間、民放連ドラを封印してしまったのだ。
三谷は、同じ年に上演した初のミュージカル「オケピ!」が
第45回岸田國士戯曲賞を受賞しており
実は脚本家として最も油の乗ってる時期だった。
それだけになんか勿体なかったなぁ。