テレビはとても不便なメディアと言われる。

わざわざ、オンタイムで視聴するか、

事前に録画予約するしか見る方法がない。

(この場合のTVerはネットメディアとする)


配信のように、次々と新しいコンテンツを

紹介してくれるメディアに慣れてしまうと、

テレビはとても不便なのだ。

テレビがつまらないと言ってる人のほとんどが
面白いコンテンツを探す能力の無い人だと僕は思っている。

 

実際にYouTubeにしても、TikTokにしても

テレビ動画がたくさん上がっているしね。


逆に、そんなテレビの利点について、
テレビプロデューサー・佐久間宣行が
先日の「ワルイコあつまれ」の中で

こんな答えを示していた。

「テレビの利点は偶然の出会いがあること。
 みなさんのYouTubeにしてもショート動画にしても
 AIが、みなさんが好きなモノに

 関連動画を付けていくでしょ。
 興味のあるものだけ追っかけてるって怖くない?

 しかもAIが決めた

 『あなたはこれが好きなんでしょ?』だけ
 追っかけさせられている。
 …ってことは偶然の出会いがなくなるから
 素敵な出会いもなくなる。

 テレビって不便だけど、偶然の出会いがあって
 『この歌、素敵』とか『この俳優さん上手』とか…
 それがあるのって実は人生にとって大事なこと。
 テレビは人生を変えるきっかけを

 持ってるメディアと僕は思っている。」

さすが佐久間宣行である。
僕が上手く言えなかったことを見事に言語化してくれた。


…で、この話を聞いてて思ったのは
テレビと本屋って似てるなということだ。

ネットで本を買うなんて今は当たり前で
本屋は次々と姿を消している。

そんな中で僕が常に本屋で本を買うのは
偶然の出会いがあるからだ。

 

わざわざ本屋に行くってめんどくさいし

ネットで買う方がラクだけど

そこに素敵な出会いは存在しない。

アマゾンが「これ好きでしょ」と紹介してくる本は
既に購入しているか、どうでもいい本ばかり。

「よくぞ、この本を紹介してくれた」
…なんて本に出合ったことなんかない。

そういう意味ではAIは無能なのだ。

テレビと本屋は、人生を変えるきっかけを持ってる。