関根勤がテレビ番組「かまいたちの知らんけど」で
NGを出している番組として
密着ドキュメンタリーを挙げた。
関根勤は、過去に密着を受けたことがあり
当初「絶対にやらせとか注文しない」と言っていたスタッフが
途中から「これやってください」「あれやってください」と指示してきたり
「これ使わないでください」って言ったやつを
「使いたい」って言い出したり…があって
もう密着は嫌になったとのことだ。
本来、密着の目的とは、ありのままの姿を
追いかけて構成するものである。
例えば、大きなイベントを控えていて
そこに向かっていく…みたいな作りだと
ドキュメンタリーは作りやすい。
ゴールが見えているから…。
しかし、追いかけるのは
そんな人ばかりではない。
何もない日常を、たかだか2~3ヶ月追い掛けたくらいでは
そんなにドラマチックなことは起きない。
どうしても番組として物足りなくなってしまう。
過去に、密着されている人がその番組内のインタビューで
明らかにイラついている姿を何度か見たことがある。
イラつかせて本音を引き出そうとしているのか
欲しい言葉が決まっててそれを撮りたいのか
その意図は解らないが
制作側の安易な番組作りが透けて見えてしまう。
本来あるべきではない演出が
そこには存在しているからだ。
今や、過去のような密着ドキュメンタリーは通用しない。
密着する側の努力と根性と
そして何もない日常を絶妙に切り取るセンスが
求められる時代なのだ。