「演劇集団キャラメルボックス」は
5月31日をもって活動を休止すると公式サイトで発表した。
演劇に興味のない人は、よく知らないかもしれないが
「キャラメルボックス」は30年以上にも渡って
数百万人も動員してきた人気劇団である。
過去、僕も何本か観劇している。
上川隆也が所属していたことでも有名で
NHKのスタッフがたまたま見た
「キャラメル」の小さな記事の上川隆也を見て
ドラマ「大地の子」の主役に大抜擢したのだ。
その後、上川隆也は瞬く間に人気俳優になっていくのだが
2009年まで「キャラメル」に在籍してて
忙しい合間を縫って公演にも出演していた。
「キャラメルボックス」に限った話ではないが
劇団が存続し続けるのは本当に難しい。
役者は小劇団の収入だけでは全く食べてはいけない。
だから、役者として売れたいと思うのは当然である。
もちろん、役者の顔が売れれば
劇団の観客動員力も上がるのだが
今度は、映画やテレビの仕事が入ってきて
劇団の公演に参加出来ないという問題が出てくる。
次々と所属の役者が売れて行ったら
公演が成り立たなくなるのだ。
主催者は、役者に売れて欲しいけど
売れ過ぎたら困るという相反する想いに囚われる。
役者が揃わなくて公演出来なくなるか
人気がなくなって存続出来なくなるかのどっちかで
たいていの劇団は消滅してしまう。
売れっ子になった上川隆也が
2~3年に一本出ていたのも大きいが
「キャラメルボックス」が30年以上も
やってこれたのは奇跡に近いのだ。
活動休止は淋しいけれど
まだ終わりではないからね。