野木亜紀子といえば原作モノだ。

「空飛ぶ広報室」、「重版出来!」
「逃げ恥~」、「図書館戦争」…等
原作の意味を完璧に咀嚼した上で
その魅力を120%引きだした作品にしてしまう。
原作モノを扱わせたら
この人の右に出る人は居ない。

そんな中、「アンナチュラル」は
久々のオリジナル作品である。
それだけに、1年もの準備期間を得た今作は
そうとう力が入っていた。


物語は、三角関係のもつれからの毒殺では
…という当初の流れから
サウジアラビアで、マーズコロナウイルスに

感染していたことが判明して
恋人(山口紗弥加)の疑いが晴れました
…って、普通ならこれで終わりだ。
野木亜紀子も最初はそういうプロットで
考えてたんじゃないかな。

でもそれじゃ、ありきたりだし
物足りない。

そこで、残された家族への批判から
実は彼自身も被害者だったという
更にもう一歩新しい展開へと広げていった。

それによって、恋人の人物像も

より深く魅力的になった。


何重構造にも物語を重ね合わせている上に

ミコト(石原さとみ)の結婚や家庭事情の話もあったりして
あれもこれもと盛り込み過ぎな気もしたけど
それでも野木亜紀子なら
最後までこのまま走り切ってくれるだろね。