被告人が役所広司みたいな演技派だったら
弁護士も騙されちゃうね(笑)。


是枝裕和監督の「三度目の殺人」。

タイトルに「殺人」とあるけど
ミステリーではありません。

「真犯人はこいつだ!」みたいな展開を望むなら、
「名探偵コナン」を見た方がいい。
「三度目の殺人」はそういう作品ではないのだ。


僕は観終わった時のモヤモヤは、ほぼなかった。
割と自分の中で消化出来たから…。

是枝監督は、弁護士から
「法廷は別に真実を究明する場所ではない」
「利害調整をする場所」と言われたそうだ。

事件に関わる全ての人の利害を聞いて
落としどころを探る場所。
それが裁判である。

そんな感じで物語も進んでいくのだけど
あることから突然、三隅(役所広司)が供述を覆す。

三隅はそれまでも、発言がコロコロ変わるのだが
それはある事実を隠しているから…。

そして、重盛(福山雅治)も、三隅も、
殺された山中も、みんな娘を持つ父親であることも
意味があると僕は思った。



是枝監督が仮で作ったコピー。
「一度目はケダモノが、二度目は人間が殺した
  三度目の殺人」

ここに答えはある気がした。