宮崎駿が「風立ちぬ」を最後に
長編映画監督を引退することを発表した。

過去にも宮崎駿は
何度か引退を示唆するような発言をしてきた。
『もののけ姫』の完成報告会の際に
「ちょっと未練があるうちにおさらばしたい」
『千と千尋の神隠し』の完成会見では
「もう長編アニメ映画は無理ですね。」と語っている。

ただ、それらと今回は全く意味合いが違う。
今までのは言ってみれば
グチみたいなモノだ。

冒険家が命からがら帰還して
「もう二度とこんな危険なことはしない」
と言いながら、また冒険に出掛けるのと同じ。

そして、今まではあくまで宮崎駿発信だったのに対し
今回はスタジオジブリとして発表している事実も大きい。


この引退発表がどれだけ大きな事件か
けっこうピンと来ていない人が多いことに驚く。

宮崎駿といえば日本映画の歴代興行成績ランキングの
1~3位を独占しているのを始め
新作の『風立ちぬ』も
100億円に迫る勢いである。

「昔に比べてつまらない」とか
なんだかんだ言われながら
毎作品全て100億円規模のヒットを
記録している監督なんて
過去にも現在にも
宮崎駿しかいないのである。

宮崎駿がどんだけ辞めたいと言おうが
日本映画界、日本経済界がそれを許さなかったのである。
今回、それをジブリの社長が公式発表したということは
ようやく、それらに対するお許しが出たということなのだ。



ただ、そうは言っても
あくまで長編作品からの引退なのである。
ジブリ美術館の短編は何本も手掛けているが
そういう短編については今後も作り続けていくのだろう。
ファンとしては年に1~2本
新作短編を作って貰えると嬉しい。