伝説の柔道家・木村政彦。
グレイシー柔術をきっかけに
木村政彦を知った人も多いと思う。
僕もその一人だ。
1993年に行われた総合格闘技イベント「UFC」の第一回大会で
無名の柔術家ホイス・グレイシーが優勝し
一躍脚光を浴びるのだが、
その父であるエリオ・グレイシーが
「私はただ一度、柔術の試合で敗れたことがある。
その相手は日本の偉大なる柔道家・木村政彦だ。」と語り
木村政彦という天才柔道家の名前が現代に蘇ったのである。
その1951年に行われた木村×エリオの試合映像を見ることが出来る。↓
エリオは腕を折られながらもギブアップせずに
セコンドがタオルを投入して決着したのだ。
木村は、プロに転向するまで15年間不敗という
恐るべし強さだった。
僕もこの『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
恥ずかしながらここまでの強さとは知らなかった。
本は、700頁以上もあるのだけど
面白くてガンガン読めてしまう。
プロ柔道旗揚げ、エリオとの試合
そしてタイトルにもあるプロレスラー力道山との試合である。
そもそもこの試合は、木村、力道の両者の合意のもとに
引き分けで終わることになっていた。
…にも関わらず力道山がその約束を破り
試合途中に突然セメントを仕掛け
木村の完全敗北で終わることになってしまう。
試合の映像を見ると、確かに力道山の攻撃の質が
途中から明らかに変わるのだ。
その時点で木村は力動の急変を察知出来たと思うが…。
作者の増田俊也氏は柔道出身ということもあり
木村の名誉を回復するためにこの本を書いた。
そして、最初からガチで戦えば
木村が勝っていた…と結論着けたかったようだが
映像を見る限り素人目にも
それはどうだろうと思わずにはいられない。
確かには力道山は最低なヤツだ。
でも、その力道山を木村も甘く見過ぎだし
そもそもコンディションも良くなかったようだ
万全な状態での木村×力道山の真剣勝負が見たかったなぁ。